マリアンホール

 カトリック教会のマリアの年に因んで名づけられたマリアンホール。1号館竣工から遅れること4年、1954(昭和29)年に、同じく竹腰健造氏の設計によって建てられました。欧米各地にある聖心会の姉妹校に共通する建築様式を研究して建てられたこの建物は、2階建て、延べ1,993uで、1階にはパーラーと呼ばれる会議室、応接室があります。2階は平面部分で約600名、3階にあたるギャラリーと併せると約800人収容できる大講堂となっています。

 4本の四角い列柱をもつ建物正面上方には「いときよき聖心(みこころ)の大学」「至聖なる聖心の大学」を意味するラテン語、「STVDIORVM VNIVERSITAS SACRATIAAIMI CORDIS(スッディオールム・ウニベルシタス・サクラティシミ・コルディス)」が刻まれています。正面ホールの床デザインはローマの聖心会総本部玄関をモデルとしており、研ぎ出し人造石が用いられています。1階右手にある応接室1には1984年から86年にかけて、世界聖心同窓会(AMASC)の本部が置かれていました。

 中央廊下の突き当たりには、「MATER ADMIRABILIS(マーテル・アドミラビリス 感ずべき御母)」と名づけられた聖母マリアの絵が飾られています。原画はローマ市内のスペイン広場の階段を登ったところにあるトリニタ・ディモンティ修道院にある壁画で、19世紀半ば、一修道女によって描かれました。  学院の創立者、聖マグダレナ・ソフィア・バラが目指した女性の理想像を表すこの聖母像は1801年、フランスのアミアン市に最初の聖心女子学院が創立されて以来、いまや世界各国に広がったどの姉妹校にも飾られています。「希望」のある未来を示すあけぼのを背景に、ふと手仕事をやめて、心を神にささげる若き聖母マリアの姿。バスケットの上に伏せられた読みかけの本によって示される「学問」への関心、手にする糸紡ぎ機に表される「労働」の貴さ−ここに祈り、考え、働くという基本的な人間の生きる姿勢が描かれています。また、傍らに咲くユリの花は「清純」の徳を表しています。神を信頼して生きた聖母マリアのように、命をはぐくみ、大切にし、神と人への愛にこたえていく女性の品位と使命を象徴しています。

 

 

×CLOSE