基礎課程演習の風景

基礎課程演習15 (学問の基礎) のご紹介

【学習目標】
 大学の学問の基礎を実習しながら理解することで、これからの学び・研究のための正しい出発点を獲得する。

【授業概要】
 大学の学問に取り組むための手ほどきをします。学問の本質や性格、方法の特徴などの説明、学問的な調査法や文章作成法などの実習、ゼミ発表や討論の基本的な形についても紹介します。また、アカデミック・ディベートを体験してもらいます。

哲学科 加藤 和哉

【基礎課程演習15のシラバス(ご参考)】

【最終回】
 今日が最後の授業でした。飲み物とお菓子を囲んで茶話会をしました。まず、各自が自己紹介。事前に「名前、出身、所属だけ」といったありふれた自己紹介はだめというふうにしておきました。みな個性的で、楽しい自己紹介になりました。
 「前期でこの授業がいちばん課題が多くて大変だった」という声が多かったです。だとしたら、担当者としては「本望」です。大学に入って、大学での授業の受け方、勉強のし方の厳しさに触れてもらうことが狙いだったからです。もちろん、わずか半年ばかりのこの授業だけで何かが身につくわけではありません。でも、何が重要か、どこに注意が必要かが少しでも分かれば、これからの授業の中でいろいろと発見し、そのつど身につけていくことができるでしょう。
 まずは半年お疲れ様でした。そして、これからの大学生活に幸あれ!


【第11回】【第12回】
 各回10人ずつ「5分間発表」を行ってもらいました。また、一人が発表している間、他の学生は発表の要旨を完結にまとめ、質問やコメントを書くという作業を行ってもらいました。

 最初の回の10人は、5分間という発表時間の感覚がつかめなかったのか、時間を大幅に超過してしまう場合が頻出しました。口頭発表というのは、ただ自分が調べたことを詰め込んで、言いたいことを言うというのではなく、聞く人を意識して、何をどのように伝えるかを考えなければならないということをお話しました。

 2回目は、時間を超過する人はほとんどいなくなりました。しかし、その分発表の内容が平板になってしまったようにも見えました。また、5分では語りつくせないような大きなテーマを掲げてしまうひともいました。
 他方、要旨とコメントは、短い時間の中で思ったよりも上手にまとめられていたようでした。


【第9回】【第10回】
 二回にわたって、各自が提出した論文について個別指導を行いました。指導を受けた論文は書き直して前期終了時までに再提出です。
 その間に、次回以降行う「5分間発表」(一つの資料を用いて一つのテーマで発表する口頭発表)の準備をしてもらいました。A4サイズ1枚のレジメを用意し、また口頭発表の原稿を作ります。

○学生リポーターより
 大学生にとっての自分の主張とは、自分の感想ではなく、専門家や教授が証明した説を使って自分の主張を裏付けることであることを学びました。このことを一年生の前期に学べたことをとても嬉しく思っています。


【第8回】
 今回は、ゼミなどでの口頭発表の方法について説明しました。口頭発表の準備のしかた、ハンドアウトの作り方、発表の進め方と留意点、発表後を踏まえた質疑や討議の方法について説明しました。
 また、実際に短い口頭発表を行って、その要約を作り、コメントを加える実習をしてもらいました。来週からは、口頭発表の準備をしてもらいます。

○学生リポーターより
「今日の授業では、口頭発表のやり方を学びました。特に印象的だったのは、発表後の議論を活発にするには、聞き手の事前調査も発表と同じように大切ということです。高校で行う発表と異なる部分だなあと実感しました。
 今日の授業では、先生の短い口頭発表を要約して、コメントを付けるという作業を行いました。要約した時のように発表の内容をまとめ、そこに自分の意見をまとめるという方法でまとめていきます。リアクションペーパーを書くうえでも役に立つと感じました。」


【第7回】
 今日は、宿題で書いてきた論文を「セルフ・チェック」してもらいました。論文を書く力を身につけるには、自分の書いた文章を自分でチェックして、誤りを見つけたり、表現や内容を推敲することができなければなりません。
 段落分けなど文章語のルールが守られているか、文章が長すぎて曖昧になっていないか、主観的な内容や口語的な表現が使われていないかなど、ポイントを挙げて、各自でチェックしてもらいました。また、自分の論文の「アウトライン」(要点を箇条書き的に整理したもの)を作成してもらいました。セルフ・チェックを踏まえて、もう一度書き直してくるのが、今週の宿題になりました。

○学生リポーターより
「論文というものを完全に勘違いしていたので,ようやくちゃんとした意味が分かってよかったです。授業を受けるまではもっと自分の考えを主に書く形のものだと思っていました。
 要約力、更に分析力までも求められる論文は思った以上に難しいものだと感じましたが,この基礎課程演習を通して少しでも慣れていこうと思います。」


【第6回】
 今日も、先週に引き続き引用や要約紹介のしかた、正しい文章の書き方、かぎ括弧などの使い方などを指導しました。その上で、学問的な論文と入学試験の「小論文」、懸賞文や読書感想文などの「課題論文」などとの違いを説明しました。来週からいよいよ、簡単な「論文」執筆の実習に入ります。そこで今日の宿題は、前回要約して提出してもらった3人の考えを踏まえて、2,000字程度の論文を書くことです。
与えられたテーマは「死後の命を信じることに意味はあるか」という哲学的なテーマでした。身近な出来事や自分の体験をもとに論じることができないテーマを選ぶことで、あくまで「論理」で文章を書く練習をするというねらいがあります。

○学生リポーターより
「今回は前回提出した要約の講評をいただきました。引用文と自分の文を区別して文章を書くことを学びました。段落構成を意識することや、今まであやふやだったかぎ括弧や二重かぎ括弧の正しい使用法を教わりました。自分のものにするのは時間がかかりそうですが、卒論執筆時に必要な力だと感じました。」


【第5回】
 これから何回かに分けて、「書く」というテーマを扱います。文章の引用やパラフレーズ、またそれを用いた要約文や照会文の書き方などを学びます。また、書籍や論文から、自分のテーマに関する見解を読み取ること、それらを用いて、論文を執筆する練習もしていきます。
 前回の宿題は、小文「哲学と哲学史」(荻野弘之『哲学の原風景―古代ギリシアの知恵とことば』より)の要約紹介をつくってくることでした。全員の要約をコピーして配布し、比較検討を行いました。
 今日の宿題は、一つのテーマについて3人の異なる著者の書いた文章を整理して、要約紹介するというものです。

○学生リポーターより
先生がクラス全員のやってきた課題をコピーしてくださったので、普段なかなか見ることの出来ない友達の要約を見ることが出来き、刺激をもらいました。友達の要約の良いなと思った部分を自分の物にしたいです。


【第4回】
 今日は、図書館の職員の方による、図書資料の検索の仕方の指導がありました。情報処理センターでパソコンをさわりながら実際に体験し、その後図書館の中も案内していただきました。


【第3回】 2011年5月19日
 今日はまず、前回提出してもらった課題の添削から始めました。学問的な参考文献の選び方などをお話しました。
 次のテーマは「書く」です。これから何回かにわたって、学問的なレポートや論文の書き方を指導していくことになります。今日はまず「要約」「引用」「言い換え」などの違いについてお話しました。
 今回から、毎回学生さんに生の声で授業を紹介してもらいます。

○学生リポーターより
「今日の授業では、大学生はどのような文献を学問研究として使うべきか、出典の正しい表記方法を教わりました。学問はプロセスが大切であり、求めているのは文献を正しく読み取る力だと知りました。
私が先週提出した書類は全く学問的なレポートとは言えず正直ショックでした。
高校までは参考文献を飾り程度に書き並べていただけだったため、これからは根拠に基づいいたレポート制作を心がけたいと思いました。」


【第2回】 2011年5月12日
 第2回のテーマは「調べる」です。大学の学習では「自分で調べる」ことが大切です。今日はまず先週の宿題になっていた「ソクラテス」について、調べてきた結果を3人の学生からそれぞれ報告してもらいました。同じことについて調べてきたはずなのにずいぶん内容が違いました。同じことを調べるのであっても観点や目的が違えばまとめ方が異なります。それを意識して、調べ、まとめることが大事というお話をしました。また、学問的に調べるための方法や道具について説明しました。
 次回の課題は、タイトルなどの情報やさまざまな手がかりから図書を見つけ出すというものです。

○本日の「リアクションペーパー」より
「自分と同じテーマを調べてきた、他人の発表を聞く機会が今までなかったので、3人がそれぞれ異なった視点から書いているので驚きました。自分は正しいと思って書いていることでも、自然と情報を選択して、捨てたり拾ったりしているということに気がつくことができました。」
「ソクラテスを調べるにあたって、私は自分にとってわかりやすいものばかりを探していました。しかし、先生のお話を聞いて、複数の図書を利用し、様々な視点でとらえられたものを、自分でまとめる必要があるのだと思います。」
「今日、他の人の課題のまとめ方を聞いて、自分のまとめ方の甘さを痛感しました。調べる方法について話を聞いて、やはりインターネットはあまりあてにならないのかなと感じました。」


【第1回】 2011年4月26日
 第1回のテーマは、「学問」とは何かでした。高校までの「勉強」と大学の「学問」との違い、大学の学習の目的、授業の仕組み、単位制度や学位などについて説明しました。特に、大学では「授業中に勉強するだけではダメ」ということを強調しました。
この授業でも毎回実習課題が出されます。第1回の課題は「ソクラテス」について調べてくることです。

○本日の「リアクションペーパー」より
「大学での生活が一週間終わりましたが、高校との授業内容の違いにとまどっていました。今日の授業を聞いて、授業がよく理解できなかったのは、自分の責任であったということに気づけました。授業開始日から、すべての授業を全力で受けてきました。今日の授業を聞いて、ますます気合が入りました。今後は、図書館で調べものをする時間なども大切していきたいです。」
「高校と大学の違いや大学の授業に対する心構えを聞き、大学は本当に自己責任の世界なのだと感じました。大きな成長の糧となるか、不満で終わるかは自分次第。これからの専攻決定とその先の研究など、まだまだ先は見えませんが、自分の力を最大限出せるように努力していきたいと思いました。」
「高校は教える内容が決まっているが、大学は内容が特に決まっていない。無限の可能性がある場所であるので、自分が関心のあることは、とことん勉強できるが、高校までの『分からなかったら先生に聞けば良い』という甘えは許されない。このことを忘れずこれからの授業にのぞみます。」

close