英語英文学科の特色ある取り組み

同時通訳者 澄田美都子先生による「通訳ワークショップ」

通訳ワークショップ

 2016年7月18日(月/祝)、初の試みとして、英語英文学科、大学院英語英文学専攻共催で、同時通訳者澄田美都子先生による通訳ワークショップを行いました。澄田先生は数多くのG8やG20等の首脳級、閣僚級会議で、同時通訳者として第一線でご活躍され、英国のウィリアム王子や国連事務総長等、多くの要人に随行して、逐次通訳もこなされ、政治、経済、貿易、金融、マスコミ、大学各界における、30年の幅広い経験と知識をお持ちです。
 本ワークシップでは、ご自身が通訳を務められた日本記者クラブにおける国連事務総長特別代表(防災担当)M・ワルドストロム氏の会見が題材でした。参加した学部学生・大学院学生全員が通訳を経験できるようにひとりずつ当て、それぞれの通訳についてコメントをしてくださいました。
 学生たちは真剣なまなざしで映像をみつめ、神経を研ぎ澄ませて会見の音声に耳を傾け、果敢に通訳に挑戦していました。臨場感あふれる実践をとおして通訳に要求される正確さや要点の把握から、声の大きさやメモの取り方にいたるまで、現場に精通した先生ならではの貴重なアドヴァイスをたくさんいただきました。
 澄田先生はこのワークショップをきっかけに、ひとりでも多くの学生が通訳の仕事に関心をもつことを願っていらっしゃいます。

英語英文学科


<学生の感想> ※画像と感想は連関していません。

 通訳は、英語そのもののスキルを試されるリスニングテストとは違い、発せられた言葉の背景や求められる通訳の正確さなど、本当に深いところまで理解できていないと務まらない仕事だなと身をもって実感することができました。自分の訳した言葉をオーディエンスの人は頼りにしていると考えるだけで、集中力がいる上に非常に大きなプレッシャーを感じるだろうなと思います。

英語英文学科 4年 奥田千晴



 日英双方の語彙力と翻訳力はもちろんですが、発言者の言葉を的確に聞き取り、瞬時に組み立てる力は、職人や匠の技を彷彿とさせました。一方、ワークショップに参加した私は、「何か言わないと」という思いに突き動かされ、聞き取れたことを並べるだけで精一杯でした。本来ならば、通訳とは、発言者の意図や思いを正確に伝えるべきものなのに、私の発言にはその考えや姿勢が抜けていたように思います。緊張感の中で言葉を訳して伝える通訳という仕事の難しさに、今回のワークショップでは触れることができたと思います。そしてこの経験は、今後、翻訳を学ぶうえでも、社会に出るうえでも必ず役立つ経験だったと考えております。

英語英文学科 4年 横江真美

通訳ワークショップ

 一番難しいと感じた点はメモの取り方です。書くことに集中しすぎてしまうと、次の文章を聞き逃してしまい、しだいに話されている内容を把握できなくなることが多々ありました。また、 “UN World Conference on Disaster Risk Reduction” や”Disaster Risk Reduction”など様々な専門用語が登場したとき、事前にこれらの専門用語の一覧表をいただいていたにかかわらず、いざスピーチで使われたときに瞬時にそれらの用語を再認識できず、慌てているうちに、大切な部分を聞き逃してしまうこともありました。同時通訳にとって、簡潔でわかりやすく正確に記録することが重要であり、また、澄田先生がおっしゃったように、略号を使ってメモを取るといった工夫が必要であることも、体験を通して深く実感することができました。

大学院英語英文学専攻修士課程 2年 赤見紗礼

通訳ワークショップ

 会議で用いる資料や重要な文書ではなによりも正確な翻訳が求められる、と翻訳家の母から聞いたことがあります。正確に訳すということは、通訳の仕事にも通じる点があるのかと思いました。しかし、この二つの職業で異なると感じた点は、翻訳は与えられた文書を時間の許す限りじっくりと丁寧に訳すことができますが、通訳では話し手の内容や口調、スピードなど現場に居合わせないとわからないことも多く、会議によっては話し手の持ち時間にも制限が課されるなどの制約もあり、同時通訳とは高度な瞬発力が求められる仕事なのだと感じました。

大学院英語英文学専攻修士課程 2年 衛藤ロザリン

通訳ワークショップ

 先生のお話を伺い、通訳をするうえで重要なことは、人前で話すこと、人になにかを伝えること全般にも通ずるものがあるのだと感じました。たとえば、先生のように場面におうじた豊富な語彙を準備しておくことなどです。英語と日本語両方の質の高い運用能力を養うと同時に、枝葉ではなく幹を掴まえる、自分の言うべきことを頭のなかで瞬時に組み立てる、反射的に言葉を返す、分からないことがあっても動揺しない、相手の意思を丁寧にくみとるなど、どれをとっても今の自分にはないものばかりですが、通訳の仕事にかぎらず、伝えるということすべてに共通する基本を、しっかりと身につけていきたいです。

大学院人文学専攻博士後期課程 1年 高橋実紗子

通訳ワークショップ

 通訳は常に予習が求められる仕事、とご紹介くださいましたが、必ずしも自分自身の関心事や専門に近い主題ばかりではないことを考えると、広い見識と知的好奇心や探求心が必要とされるのではないかと思いました。こうしたスキルや資質をも問われる、非常に専門性が高く、厳しい仕事だと学んだ一方、だからこそ挑戦し甲斐があり、個人の特性や努力が直接活かされる貴重な仕事であると感じました。

大学院人文学専攻博士後期課程 3年 浅野菜緒子

通訳ワークショップ

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