英語文化コミュニケーション学科の特色ある取り組み

Experience-Based Learning(体験型の学び)の醍醐味を味わう:シェイクスピア劇公演

シェイクスピア劇公演

 2018年5月20日(日)、若葉がきらめき、青空が広がる広尾キャンパスで、劇団ITCL(International Theatre Company London)によるトークセッションと『ロミオとジュリエット』の公演が行われました。聖心女子大学におけるITCLの公演は、2010年の教養講座に始まり、今回が8回目となりました。
 ふたたび教養講座としての開催となった今回は、特別に著名な演出家・劇作家でいらっしゃるITCL のポール・ステッビングズ氏をお迎えすることができました。

 公演に先立って、マリアンホールで行われたトークセッション「演出家が語る『ロミオとジュリエット』」では、ステッビングズ氏に加えて、主役の恋人を演じる俳優お二人にもご登場いただくことができました。『ロミオとジュリエット』を演出する際のポイント、シェイクスピア劇の魅力、実際に役を演じるにあたっての工夫などを客席の皆さまの質問を受けながらお話ししてくださり、この劇がいかに21世紀の観客を魅了する新しさに満ちているかがわかりました。

シェイクスピア劇公演
シェイクスピア劇公演

 ジュリエット役エイミーさんが「ジェットコースターのような」と評したジュリエットのめまぐるしい感情の起伏、ロミオ役ジェロームさんが「転がるタイヤを追いかける仔犬」をイメージして役作りをしたというロミオの一途さ、バルコニーの場面からすでにジュリエットの台詞にあらわされる死のテーマ、あちこちに仕掛けられた意外な喜劇的要素など、宮代ホールでの公演は、トークを思い出しながら存分に楽しんでいただけたことと存じます。役者の身体性を生かし、音楽を効果的に使うITCLの特徴的な演出で、たった6人の俳優さんがすべての登場人物を早替わりでみごとに演じてくださいました。

 宮代ホールを満員にするお客様には、舞台の俳優さんの息遣いまで感じられる距離で鑑賞していただくことができました。毒薬を飲み干したロミオがこと切れる直前に、入れ替わるようにジュリエットの白くしなやかな腕が動き始める場面では、その切ない美しさをホール全体が息をとめて見つめました。舞台ならではの深い感動を共有することができた瞬間でした。

シェイクスピア劇公演

 なお、トークセッションは、本学英語英文学科卒業生の酒井もえ先生(聖心女子大学非常勤講師)が的確でわかりやすい通訳で進行を助けてくださいました。また今回のITCL日本公演で使用された字幕は、本学科の安達まみ教授、酒井先生(監訳)、大学院修了生、大学院生(翻訳)によるものでしたが、お客様からたいへん好評をいただき、ITCLの俳優さんからも「字幕は7人目のキャスト」とおほめいただきました。

英語英文学科

シェイクスピア劇公演
演出家ステッビングズ氏と本学の字幕翻訳メンバー

 

< 学生の声 >

 International Theatre Company London(ITCL)によるシェイクスピア作の戯曲『ロミオとジュリエット』の今年度の公演は、トークセッションと公演の二部構成で、例年よりも充実した1日となりました。マリアンホールで開催されたトークセッションでは、演出家のポール・ステッビングズさんとロミオ役のジェロームさん、また、ジュリエット役のエイミーさんが質疑応答を含め、たくさんのお話をして下さいました。
 ステッビングズさんのお話の中で衝撃的だったのは、「『ロミオとジュリエット』は、若い二人の悲劇的なラブストーリーだと思う人が多いが、ただのラブストーリーではなく、そこには喜劇性もある」というものです。

シェイクスピア劇公演

 悲恋物語として知られるこの作品をそのような視点で見ることは、私たちにとって新たな挑戦でしたが、実際に宮代ホールでの公演を見て、乳母、マキューシオ、ポットパンといったもともと喜劇的な役だけでなく、時には主人公の恋人たちまでもがこの劇に喜劇性をもたらしているのだと感じました。たとえば、ロミオは最初、違う女性に恋をしていますが、すぐにジュリエットに夢中になり、彼女を追って邸にまで侵入します。余りにもひたむきなロミオの恋は、たしかに滑稽でもあると思いました。

シェイクスピア劇公演

 劇の中で特に印象的だった箇所の1つはバルコニーシーンです。最も有名な場面でもあるので、公演が始まる前から楽しみにしていました。手が届くほど近くにいながら目線を合わせずにお互いへの愛をうたうロミオとジュリエットは、「遠くにいながら、心はいつもひとつ」という二人の愛の強さを感じさせました。
 2つめは、マキューシオがロミオを探す際に、観客の膝の上に寝転んだ場面です。私たち観客も物語に参加するかのように、また、客席までがステージであるかのような演出によって、『ロミオとジュリエット』の世界に入り込むことができました。

 物語前半の陽気なストーリー、そして後半の心痛む二人の死、いろいろな要素が『ロミオとジュリエット』には詰まっているのだと感じました。実際に自分の目で観ることで、一緒に笑ったり、悲しくなったりと、ひとつひとつの出来事に感情移入することができました。約400年も前に作られた物語を、現代の私たちもこうして楽しむことができることに改めて感動し、次回のITCLの公演が今から待ち遠しくなりました。

青柳 菜海(英語英文学科 4年)
野城 七海(英語英文学科 4年)
スミス 花子 ルネ(英語英文学科 4年)

シェイクスピア劇公演
終演後、ITCLの皆さんと学生・教員との交流の模様
シェイクスピア劇公演

学生によるゼミ紹介ポスターの展示

本公演のポスター クリックで拡大します
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