左:ヨーロッパ中世史ゼミの美術館見学(東京都庭園美術館)
右上:東アジア史ゼミ旅行(ひがし茶屋街/石川県金沢市)
右下:日本中世史ゼミ旅行(関門海峡人道トンネル/
福岡県北九州市・山口県下関市)

「歴史学と旅行」

ガイドブック2018より転載

 史学科は、日本の歴史を学ぶ日本史コースと、世界の歴史を学ぶ世界史コースに分かれ、歴史学を追究する学科です。しかし、「歴史学を追究する」といっても、なにも研究者を目指すような意味での追究の仕方とは限りません。日本史にせよ世界史にせよ、ある地域の社会や文化がどのように形成されてきたかを考える学問ですから、その「ある地域」、歴史の舞台へと実際に足を運び、その雰囲気や空気感に接するというのも、歴史学の大切な一要素となります。
 そこで、史学科においては、学外研修の機会を多く設けるようにしており、なかでも日本史コースは、2年次の学年末に「学科旅行」を行う慣例となっています。学科旅行は日本史専攻2年次生のほぼ全員(希望者のみ)で、京都や奈良などを訪ねて回る、いわば大学版の修学旅行のようなものです。ただし、引率する教員は、第一線の研究者ですから、研究者ならではの視点を交えたコース設定となります。参加した学生は、学科旅行を通じて、「研究者というのは、こういう視点で史跡を見るのか!」とか、「大学の先生も、普通に観光を楽しむんだな!」といったことを肌で感じるとともに、その説明を聞くことにより、歴史の舞台を訪れる楽しさを発見することができます(歴史の研究者がいかに健脚かを思い知らされることにもなるかもしれません)。
 また日本史コースは3年次になると、古代史・中世史・近世史・近代史からゼミを選択することになりますが、多くのゼミでは夏休みなどにゼミ旅行に出かけます。たとえば中世史ゼミでは、2013年の夏に平泉をまわり、2014年の夏には広島へと出かけました。これら世界遺産に指定された地域や、大河ドラマの舞台となった地域では、ガイダンス施設なども充実しています。普段の“女子旅”だと、ついつい後回しにされがちな博物館やガイダンス施設ですが、ゼミ旅行では、史跡のほか、そうした施設にも立ち寄りますから、中尊寺金色堂や厳島神社などを訪ねたときにも、ビジュアル的な素晴らしさに感動するだけでなく、歴史的背景に思いを馳せることができます。
 もちろん世界史コースでも、東京近郊のモスクに行ったり、中華街を訪れたりするなどの機会を積極的に設ける教員も多く、歴史の舞台の空気感を少しでも感じられるよう配慮されています。
 史学科で真剣に歴史学を学ぶことで、副産物として、よりいっそう国内旅行や海外旅行が充実するようになるでしょう。きっと史学科の卒業生は、今頃、“旅上手”として人生を楽しんでいるに違いありません。


「日本中世史U-1」学外研修(小机城/神奈川県横浜市)

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