●専門分野

社会心理学、人格心理学

●現在の研究テーマ

“他者の視線と自己”をテーマに様々な研究を行っています。受験、就職、結婚、そして日々の対人関係の中で、私たちは他者の視線を意識し、自己のあり方に気を遣っています。それは社会の中で生きる人間の宿命ですが、ここからいろいろな喜びや不安、あるいは行動が生じています。こうした人間の側面に注目し、社会心理学の観点から以下のような研究を進めています。

<羞恥心の社会的機能に関する研究>
誰もが感じる「恥ずかしい」という感覚。それは社会的動物である人類が自身の社会的イメージを守るために進化させてきた「警報システム」である。しかし、このシステムの働きには不可解なことも多い。恥ずかしいとなぜ赤面するのか?褒められても恥ずかしいのはなぜか?他人の醜態を見るだけでも恥ずかしくなるのはどうしてか?等々の些細な疑問から出発し、個人の社会的適応過程について考える。

<公共場面における規範意識の研究>
最近、公共場面での迷惑行為が話題になる。それは若者だけでなく、すべての世代に渡って指摘されている。他人のことを顧みず、自らの欲求や都合を優先させる風潮はどこから生じたのか。日本の美徳であった“恥の文化”を憂うる声もきこえてくる。しかし、これは単に道徳心の問題なのだろうか。「社会的絆の理論」をベースにしながら、社会構造の変化に伴う世間意識の変化という視点から考える。

<アンダーウェアの心理的機能に関する研究>
見えない下着に人はなぜこだわるのか? こうしたグランドテーマに基づき、下着メーカーのワコールと共同で調査や資料分析を主体とした研究を進めている。アウターと違い、下着は通常人に見せるものではない。それにもかかわらず、特に女性の多くはインナーにも強い関心を払っている。着物の裏地に凝る文化は伝統的にも存在した。見えないオシャレこそが本当のオシャレという言葉もある。他者の視線の届かない世界で、人は自身とどう向き合っているのか?

<対人不安の心理的メカニズムに関する研究>
「人前に出るとあがってしまう」「異性の前だと緊張して思うように話せない」という人は多い。ある調査によれば、日本はどこの文化よりも“人見知り”が多いことが示されている。こうした「あがり」や「緊張」はどこから生じてくるのか?また、これらにどう対処すればよいのか?心のメカニズムや発達的な要因から考えてゆく。

<その他>
ダイエットなどの痩身行動や社会的評価に関する欲求の研究など、他にも幅広く手掛けている。また、警視庁との共同で災害時における個人の行動予測研究などにも関わっている。

●研究歴・職歴

東京都立大学大学院博士課程修了
東京都立大学助手、江戸川大学助教授などを経て、1999年より聖心女子大学に勤務

大学院時代より対人不安、羞恥心などを研究。これらはライフワークとなっている。
その他、ダイエット等の痩身行動、生活におけるプライベートな時間空間の役割、母親のライフスタイルについての研究、アンダーウェアの研究(ワコールとの共同)災害時の行動予測の研究(警視庁との共同)などにも携わる。

●学位

文学博士(1987年東京都立大学)