特色ある教育

授業紹介 発達領域

ガイドブック2018より転載

 子どもへの虐待ニュースが頻繁に報じられるようになりました。時に耳を覆いたくなるような凄惨な事件は、私たちに改めて問いかけます。「子どもとは何か?」「親とは何か?」「子育てとは何か?」。親が子を愛することは当然のことと考える方も多いかもしれません。しかし一方で、時に親は我が子にさえ嫌悪感を抱きます。「発達心理学特講6」の授業では、子育て中の親がなぜこういったネガティブな感情を子に抱くのか、その心理を掘り下げます。
 「親はなぜ子に嫌悪感を持つのか。」―この問題に取り組むには、まず「なぜ親は子を育てるのか」を理解しなければなりません。これを理解する上で重要なのは「進化」の考え方です。この授業の前半では、進化の仕組みについて、人間を含む多様な生物の事例を紹介しながら学びます。そして、進化の観点から、親による子育てや、そこで親に生じる子への様々な感情の生物学的な背景に迫ります。
 さらに、親子の関係性は、その親子の暮らす環境に影響されます。親が子をなぜ時に嫌悪するのか、その疑問に答えるためには、親と子の2者だけではなく、家族やその親子の所属するコミュニティ、歴史や制度、伝統や文化といった背景にも目を向けねばなりません。この授業の後半では、「現場」に生きる親子の姿を見つめ、親が子に抱く嫌悪感の「意味」を理解することを目指します。

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