授業概要 |
美術史の主題研究をイコノグラフィー(図像学)と呼ぶが、キリスト教美術の優れた作品を、聖母マリア伝の主題にのっとって見ていく。中世、ルネサンス、バロック時代の絵画・彫刻を中心として、テクスト(福音書・黄金伝説など)との関わり、象徴・記号表現、祭壇画・墓などのオリジナルの機能の問題などを論ずる。 |
課題・評価 |
前期・後期に試験を行う。 |
テキスト |
聖書・黄金伝説などのコピーおよびスライド・リストを配布する。 |
参考文献 |
J・ホール『西洋美術解読辞典』(吉川弘文館)『黄金伝説』(人文書院)など |
受講生への要望 |
本講義は、キリスト教の基本的な知識や理解を必要とするが、あくまで美術史の講義である。柔軟な感性と観察力を養っていただきたい。 |
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授業計画 |
聖母マリアの生涯に含まれる図像の順番に従って、作品を見ていく。マリア伝に関しては、福音書に従う図像は限られており、黄金伝説および外典・偽典をもとにしたものも多い。今日における宗教的な重要性よりも、多くの優れた作品を知ってもらうために美術的な重要性を優先して図像をクロノロジカルに選んでいく。 前期は、受胎告知を例に取り、基本的なキリスト教図像学とはいかなるものなのかを説くことから始める。さらに、訪問・降誕・東方三博士の礼拝・神殿奉献などのいわゆるイエスの受肉の物語の中に描かれるマリアと、聖母(子)像の系譜を追って行く。 後期は外典によって聖母誕生伝に入っていく。さらにキリスト受難伝の中に描かれた聖母、最後に聖母の死にまつわる図像を見ていくことになる。 それぞれの作品の時代背景や教会の基本的姿勢を説明していくが、各図像表現がもつ美術的な課題に特に留意して、イメージという手段を選択した必然性やそのために生じる興味深い問題点を浮き彫りにしていきたい。 毎時間プリント類を配布して、スライドを見ながら講義を行っていく。
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