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コード TD41-01
系列 史学専攻(修士課程)
授業科目 東洋近代史特講
副題
担当者 八尾師 誠
期間・単位 通年 4単位
曜日・時間 月2
対象学年 学部3・4年生も可
特記事項  

授業概要
 中東・イスラーム世界にあって、ひときわ複雑な民族構成を有するイラン・イスラーム共和国において、近年、「イラン人アイデンティティ」を巡る問題が注目を集めている。これは、イスラーム革命によってイラン人自身が価値観・世界観の根本的な転換を迫られたのみならず、革命を機に国外に散った数多くの「イラン人」が、否応無く、自らのアイデンティティ問題に直面せざるをえなかったことによる。本講義では、当該問題に関する基本的文献のひとつである、Iran as Imagined Nation :The Construction of National Identity(Mostafa Vaziri, New York, 1993)を読み解きながら、国民国家イランにおけるイラン人アイデンティティの形成と国民統合を巡る今日的諸問題を検討する。
課題・評価
 基本的には演習形式をとるので、そこでの報告の達成度と、議論への積極的参加の度合いが評価基準となる。
テキスト
 当方で用意。
参考文献
 八尾師 誠著、イラン近代の原像、東京大学出版会、1998年他。
受講生への要望
 19世紀以降のイラン近現代史のおおまかな流れを頭に入れておくこと。

授業計画
 本特講は、基本的にはゼミ形式をとり、当該問題に関する英文テクストを読み解きながら、問題点を抽出し、それを巡って議論を積み重ねてゆく方式にたっている。従って、毎回輪番制で、テクストの邦訳と関連事項の下調べを受講者に課し、その報告を下に授業を進めることとなる。その際、議論の凝集度を高め、議論自体のおおまかな筋道をつけるためにも、議論の核となるキーワードを幾つか設定する。想定されるキーワードとしては、以下のものがある。
 国民国家、ナショナリズム、多民族国家、アーリア人仮説、イラン・ザミーン、シーア派イスラーム、宗教的マイノリティ、イランとペルシア、イラン人とペルシア人、オリエンタリズム、イスラーム共和国、本質主義的歴史叙述



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