コード AN11-01
系列 系列:キリスト教学Ⅱ
授業科目 キリスト教学Ⅱ-1
副題 (新約聖書の始め(アルファ)と終わり(オメガ))
副専攻
担当者 宇佐美 公史
単位 4
期・曜時 通年 木2
対象学年 3・4年
特記事項

授業概要
 新約聖書の始め(アルファ)はメシアの誕生を語るクリスマスの物語で、発端はマリアからです。新約聖書の終わり(オメガ)は世の終わりや最後の審判についての幻を語るヨハネの黙示録です。イエスの母マリアは、プロテスタントの人々は意味のないものとして取り上げません。しかしマリアは信徒庶民を始めとして、欧米の音楽家や芸術家に影響を与え続けています。この講座では理念的な信念は別にして、聖母マリアは民間信仰のレベルでは、ギリシア・ローマやユダヤの父権社会において、女性の尊厳を伝える伝承です。後半の終末思想は聖書全体を貫く大きな底流です。正義、愛、裁き、死、再生、民族や共同体の生き残りと希望について考察します。
課題・評価
 授業内容に関するコメントや質問を書いていただき、受講生の状況に応じて、出席や期末のレポートあるいは試験で評価します。
テキスト
 旧・新約聖書(翻訳と出版社は問わないが、旧・新約の合本がよい)
参考文献
 必要に応じて紹介します。
受講生への要望
 各自、聖書を授業に必ず持参すること。
授業計画
 1)新約聖書の常識
    ― 自然、地理、気候
    ― 時間と空間と歴史と安息日
    ― 写本
    ― 聖書の言語と翻訳
    ― 新約聖書の著者と編集者、正典と外典、偽典
    ― ユダヤ人の文書と周辺参考文書
      聖書(ヘブライ語聖書)、死海文書、
      七十人訳聖書、ラビ文書、ヨセフスの著書、
      フィロの著作、ディオ・クリストムスの著書、
      ユダヤ・キリスト教徒の聖書(新約聖書)
    ― ユダヤ教の異端キリスト教
    ― ユダヤ教とキリスト教の類似点と相違点
 2)女性の尊厳とあこがれ・・聖母マリア
    ― メシア〔救世主〕の母
    ― イブ(エヴァ)の娘
             補遺:新約聖書の婦人たち
    ― エフェソの女神アルテミス(ディアナ)
    ― エフェソと小アジアの婦人たち
    ― 天(宇宙)の女王マリア
    ― 神の母マリア
 3)民族の死生学・・終末的思潮と黙示文学
    ― ユダヤ人の価値観と終末思想(黙示文学)
    ― 正義の多義性と聖書の正義
    ― 新約聖書の正義と慈愛
    ― 新約聖書の終末思想
    ― 新約聖書の終わり(オメガ)・・ヨハネの黙示録

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