コード HC33-01
系列 系列:美学・美術史
授業科目 美学・芸術学特講Ⅲ
副題 (音楽美学)
副専攻 H1
担当者 吉田 寛
単位 4
期・曜時 通年 木5
対象学年 1(B)・2・3・4年
特記事項

授業概要
 音楽美学の歴史と理論を概観し、音楽を「聴く」だけでなく、それについて「考える」ことのおもしろさを学ぶ。とくに音楽と他の諸芸術(美術、映画、ダンスなど)を比較するなかから、音楽がいかなる芸術であるかを改めて考えてみたい。
課題・評価
 毎回の授業で書いてもらうリアクション・ペーパー、および各学期末に行う試験あるいはレポート課題によって総合的に評価する。
テキスト
 特に指定しない。授業中にプリントを配布する。
参考文献
 特に指定しない。授業中に適宜指示する。
受講生への要望
 芸術について考え、自らの意見を述べることを楽しむ学生の受講を求める。芸術愛好家のための授業ではない。
授業計画
 以下にあげる幾つかのトピックをおりまぜながら講義を進める。
○比較芸術論の系譜のなかでの音楽
 フランスやドイツの古典的美学・芸術理論を概観して、諸芸術が比較・分類される際に音楽が伝統的にいかなる位置付けを与えられてきたのかを理解する。自然と人為、空間と時間、視覚と聴覚といった諸原理との関わりで音楽を考える。
○諸芸術のモデルとしての音楽
 「すべての芸術は音楽に憧れる」といったウォルター・ペイターの思想を読解し、一九世紀以降の文学や美術の展開に音楽がいかなる影響を与えたかをみる。とりわけ音楽芸術の純粋な形式性が鍵となる。
○音楽と視覚的芸術
 オスカー・フィッシンガーやノーマン・マクラレンの映像作品をみて、音楽がいかに視覚的イメージと関わっているかを考える。初期のアニメーションに音楽が果たした美学的影響を理解する。
○音楽と身体的芸術
 スティーヴ・ライヒのミニマル音楽を舞踊化したローザスの作品をみて、音楽がいかに身体的運動と結びつきうるかを考える。また歌唱を身体的動作の限界にまで展開した歌手キャシー・バーベリアンのパフォーマンスをみる。
○音楽と空間的芸術
 音という時間的素材を取り扱う音楽家は、「空間」(演奏の場、建築)の問題をどう捉えてきたのか。ヴァーグナーからシュトックハウゼンまでの具体的な事例を通して、それを検討する。

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