コード WA13-01
系列 人間科学専攻(博士前期課程)
授業科目 基礎心理学特論Ⅱ
副題 (質的心理学の方法論を学ぶ)
副専攻
担当者 高橋 雅延
単位 2
期・曜時 後期 水2
対象学年 院生のみ
特記事項

授業概要
 臨床心理学や発達心理学において使われることの多い質的研究の基礎を学ぶために、さまざまな質的研究方法の特徴、質的研究実施時のノウハウ、質的データの呈示法の注意点、質的研究論文の書き方について、テキストを読みながら学ぶ。
課題・評価
 発表(内容および発表技法を評価)70%、質疑応答・討論とコメント(論理性、明確性などを評価)30%
テキスト
 (前半)秋田喜代美・能智正博(監修)(2007). はじめての質的研究法 臨床・社会編 東京図書/(後半)同 生涯発達編 東京図書
参考文献
 N.K.デンジン・Y.S.リンカン(編) 平山満義(監訳)岡野一郎・古賀正義(編訳)(2006). 質的研究ハンドブック1~3 北大路書房
受講生への要望
 質的研究法に初めて接する院生だけではなく、すでに質的研究法に携わっている院生も歓迎する。
授業計画
 授業は2冊のテキスト(臨床・社会編/生涯発達編)の各章の分担発表をもとにした質疑応答、討論が中心となる。以下に、おおよその授業計画を示した(詳細は、授業第1回目のオリエンテーションで明示するので、必ず出席すること)。
(1)オリエンテーション(レジュメの作成法、発表方法、評価の方法、オフィスアワー、テキスト発表の割り振りなど)
<前半のテキストの分担発表>
(2)質的研究と臨床・社会心理学/臨床・社会心理学における質的研究の留意点
(3)障害児ーある障害児の世界を「空間」という視点から解明する/「非行少年」の質的研究ーなぜ彼(女)らが「問題」なのかと問うてみる
(4)供述の分析ー構造的ディスコミュニケーション分析を例に/病い/高齢者の研究ー「認知症」体験の<汲み取り>から<聴き取り>へ
(5)環境研究ー「精神病院のリロケーション研究」をめぐる検討/地域研究ー都市で編まれた同郷の繋がりをたどる
(6)防災研究ー災害に強い社会をつくるための共同実践/異文化研究ー働きながら関わりながら生活世界を識る
<後半のテキストの分担発表>
(7)イントロダクション:「質的研究という思考法」に親しもう/発達研究におけるエスノグラフィ:社会的営みとしての発達を理解する方法
(8)発達研究におけるインタビューと語り分析:語りの構造から探る老いの意味づけ/発達研究におけるケース・スタディ:歴史・理論・実践
(9)乳幼児期と質的研究:母子の葛藤的やりとりの観察/幼児期と質的研究:自己主張行動の発達
(10)保育と質的研究:参加観察に基づく事例研究の進め方/子どもの遊びと質的研究:子どもの遊びをみる「観察眼」を磨く
(11)可視的変形と質的研究:希少な疾患の心理学的研究に向けて/青年期と質的研究:語り合い法で「らしさ」をとらえる
(12)子育て期と質的研究:母親の経験をいかにとらえるか/中年期と質的研究:転換期の意識に迫る
(13)老年期と質的研究:高齢者は人生をどのように語るのか/死生の意味づけと質的研究/授業のまとめ

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