コード AN21-01
系列 系列:キリスト教学Ⅱ
授業科目 キリスト教学Ⅱ-11
副題 (ヨーロッパの聖杯伝説)
副専攻
担当者 横山 安由美
単位 4
期・曜時 通年 月4
対象学年 3・4年
特記事項 ※HD52「キリスト教学特講Ⅱ」と同一

授業概要
 〈聖杯〉は現世における神の〈探索〉の端的な表現のひとつである。ヨーロッパの中世から現代にかけての聖杯伝説の歴史をたどることで、市井の人々がどのように神をとらえ、求めていったのかを考えてゆきたい。それが現実のキリスト教社会への毀誉褒貶相半ばする動きであったことを理論的に説明すると共に、文学作品、映像、音楽等の鑑賞をとおして、こうした心性が文芸創造において昇華されてゆくダイナミズムも体感したい。
課題・評価
 平常点(出席、授業への積極的参加)および学期末のレポート
テキスト
 プリントを使用
参考文献
 横山安由美『中世アーサー王物語群におけるアリマタヤのヨセフ像の形成―フランスの聖杯物語』溪水社、2002年
受講生への要望
特になし
授業計画
 およそ以下のような内容で展開してゆく予定である。なお参加者の関心や言語的適性に応じて内容を検討してゆきたい(希望があれば英語やフランス語の原文も参照)。
・聖杯Graalとは何か
・聖杯にまつわるキーワード(質問、探索、荒廃、救済、王)
・ケルト伝説における豊穣の神話
・中世キリスト教から考える聖杯(十字軍、聖遺物崇拝、聖体論争、グノーシス思想)
・中世フランスにおける聖杯物語の成立とアーサー王伝説への取り込み(クレチアン・ド・トロワ、ロベール・ド・ボロン、『聖杯の探索』など)
・ドイツにおける聖杯物語の継承発展(エッシェンバッハ、ワーグナー)
・イギリスの詩人たちと〈救済〉のテーマ(テニスン、エリオットなど)
・ファンタジーが受け継ぐ〈探索〉の主題(トールキンなど)
・第二次世界大戦中のフランス作家たちとキリスト教(ベルナノス、バタイユ、ヴェイユなど)
・大衆消費社会が利用する聖杯伝説 ~アメリカ流の〈正義〉と〈娯楽〉~(『インディー・ジョーンズ』、『ダ・ヴィンチ・コード』など)

Copyrights 2008 University of the Sacred Heart , Tokyo all rights reserved.

■BACK ■検索システムへ ■TOPへ