コード CB83-01
系列 系列:日本文学
授業科目 児童文学研究Ⅱ
副題 (少女小説の発生と変遷)
副専攻 C1
担当者 藤本 恵
単位 2
期・曜時 後期 木2
対象学年 2・3・4年
特記事項

授業概要
 少女小説は、明治から現在まで、多くの一般読者を獲得してきたが、児童文学研究の中では、黙過されがちなジャンルだった。少女小説を時系列に沿って読むことで、各作品を生んだ社会の状況や、作品を支持した読者の状況について考察する。
課題・評価
 少女小説というジャンルの持つ価値と、批判すべき点両方をふまえて、個々の作品を鑑賞できるようになったかどうかを評価したい。
 期末に課すレポートでは、いくつかの課題作品の中から一つを選び、分析、解釈してもらう(70~80%)。これに、折に触れて授業内で書いてもらう短いコメント、レポートなど(20~30%)を加えて総合的に評価する。
テキスト
 授業時にレジュメを配布する。かなりの枚数になるので、各自ファイルして管理し、授業の際に必ず持ってくること。
参考文献
 授業の中で適宜紹介していく。
受講生への要望
 児童文学の中で一種の異端(サブカルチャー)として扱われることの多かった少女小説について語ります。現代のライトノベル、サブカルチャーに関心のある学生にも参加してもらい、議論ができるといいな、と思っています。
授業計画
①ガイダンス
:授業内容の確認
②女学校の成立と<少女>の発見
:明治期に女学校ができることで、学校に通う、大人でも子どもでもない女、すなわち少女が見出されたことを知る
③明治の<少女>と少女小説の発生
:少女読者に向けて雑誌が刊行されるようになった状況を確認し、掲載された小説の特徴を知る
④少女雑誌、投稿欄のコミュニティ
:少女雑誌の投稿欄において、少女たちの連帯感に基づくコミュニティが形成される過程を見る
⑤吉屋信子『花物語』の登場
:大正期の少女読者に圧倒的な支持を受けた小説『花物語』を考察する
⑥昭和の<少女>と花開く少女小説の世界
:少女小説の隆盛期である昭和初期の時代状況と少女たちの暮らしぶりを知る
⑦二大少女雑誌の攻防
:雑誌『少女の友』と『少女倶楽部』の特徴、及び読者の動向を知る
⑧西條八十の参入─『巡礼お鶴』を読む
:少女小説の書き手としても人気を博した詩人・西條八十の作品を読む
⑨川端康成の参入─『乙女の港』を読む
:ノーベル賞作家・川端康成が手がけた少女小説を読む
⑩菊池寛の参入─『心の王冠』を読む
:ベストセラー作家・菊池寛が手がけた少女小説を読む
⑪第二次世界大戦下の少女小説
:戦時統制の下で書かれた少女小説を考察する
⑫戦後、少女小説の復活
:コバルト文庫の名作を読む
⑬現代に生きる少女小説
:『マリア様がみてる』シリーズを少女小説史の中に置き、評価を試みる

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