コード AN11-01
系列 系列:キリスト教学Ⅱ
授業科目 キリスト教学Ⅱ-1
副題 (聖杯伝説とヨーロッパ文化)
副専攻
担当者 横山 安由美
単位 4
期・曜時 通年 金3
対象学年 3・4年
特記事項

学習目標
 〈聖杯〉は現世における神の〈探索〉の端的な表現のひとつだと言えるでしょう。中世から現代にかけての「聖杯伝説」の歴史をたどることによって、ヨーロッパ文化が新約聖書の物語をどのように解釈していったのかを見てゆきます。アーサー王物語や現代ファンタジーも取りあげ、これらの〈探索〉の物語が人間にとってどのような意味をもつのか、いっしょに考えてゆきましょう。
授業概要
 毎回テーマを決め、関連する文章を読んだり、映像や音楽を鑑賞したりしながら、説明を加えてゆきます。レスポンスシートでみなさんの感想や意見を求めることもあります。同じ題材を扱っていても、時代やジャンルによって解釈が異なること、そうした社会と文芸創造のかかわりにも注意を払ってゆきたいと思っています。(皆さんの関心に応じて多少内容を変更することもあります。)
テキスト
 プリント等を使用
参考文献・課題図書
 フラピエ『聖杯の神話』天沢退二郎訳、筑摩叢書
受講生への要望
 授業と並行して、各自で関連作品を読むことを勧めます。とくに新約聖書は基本文献ですので、丁寧に読んでおいてください。
評価方法
 平常点(出席、レスポンスシート、課題等)および学期末のレポート
授業計画
1.福音書における十字架の場面とその意味
2.十字架降下図の美術史的比較(2世紀~18世紀)
3.十字架降下図の美術史的比較(19世紀~現代)
4.最初の聖杯物語、クレチアン・ド・トロワ『ペルスヴァル』
5.ロベール・ド・ボロン『聖杯由来の物語』
6.アーサー王物語入門
7.『聖杯の探索』と『アーサー王の死』
8.中世写本における〈運命の輪〉の表象
9.BIBLE MORALISEE(注釈つき聖書)の挿絵を読み解く
10.中世の巡礼と旅
11.中世社会と聖杯(十字軍、聖遺物崇拝など)
12.トリノの聖骸布
13.聖杯にまつわるテーマ(無垢な者と質問のテーマ)
14.聖杯にまつわるテーマ(王とは何か)
15.前期のまとめ
16.聖杯と剣(神話としての聖杯)
17.「最後の晩餐」図の美術史的検討
18.ワーグナー『パルジファル』
19.ワーグナー『ニーベルングの指輪』
20.19世紀フランス文学と聖杯(ボードレール等)
21.19世紀イギリス文学と聖杯(テニスン等)
22.現代映画と聖杯1『キング・フィッシャー』
23.現代映画と聖杯2『モンティ・パイソン&ホーリー・グレイル』
24.現代映画と聖杯3『インディー・ジョーンズ最後の聖戦』
25.現代映画と聖杯4『ダ・ヴィンチ・コード』
26.トールキン『指輪物語』と「究極の権力」
27.C.S.ルイス『ナルニア国物語』と神の表象
28.聖杯にまつわるテーマ(探索・救済のテーマ)
29.現代大衆消費社会と聖杯
30.後期のまとめ
自由記述欄

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