コード HC33-01
系列 系列:美学・美術史
授業科目 美学・芸術学特講Ⅲ
副題 (「芸術」と「大衆文化」の境界)
副専攻 H1
担当者 輪島 裕介
単位 4
期・曜時 通年 木5
対象学年 1(B)・2・3・4年
特記事項

学習目標
 「芸術」と「大衆文化」の関係について歴史的・概念的に検討し、現代日本の文化状況について批判的に考察するため基礎的な視点を獲得する。
授業概要
 講義形式で行う。最初の数回で概念的な整理を行い、その上で非西洋地域の近代化/西洋化の事例として、開国以降の日本の音楽文化における「芸術」と「大衆文化」の相克について検討してゆく。
テキスト
 レジュメ、資料を配布する。
参考文献・課題図書
 適宜紹介する。
受講生への要望
 能動的な参加が求められる。
評価方法
 レポート(前後期1回)および平常点による。平常点はレスポンスカードやアンケートへの回答に基づく。
授業計画
1.「芸術」という制度と西洋近代
2.「大衆」と「文化」はいかに結びつくか
3.「大衆文化」と「日本」と「近代」はいかに結びつくか
4.(知的言説における)「作者の死/芸術の死」と(日常的文化実践における)「アーティスト/クリエイター崇拝」
5.「文化の生産/生産の文化」を研究する視点
6.「日本近代(大衆)音楽史」への導入
7.近代以前の諸実践との連続と断絶:お座敷、寄席、放浪芸と浪花節の隆盛
8.「過渡的」諸形態1:軍楽隊、ヂンタ、壮士演歌
9.「過渡的」諸形態2:浅草オペラ、宝塚レビューその他
10.「民謡」と「童謡」の概念化
11.昭和初年レコード流行歌システムの成立と「ジャズ」
12.大衆メディア(ラジオ、雑誌、映画)と「国民」音楽
13.戦争と音楽:軍歌/戦時歌謡、「日本的」現代音楽
14.帝国日本の「周縁」:「北方/南方」の表象、植民地における音楽政策と産業
15.レポート提出とまとめ
16.「戦後」とは何か:「戦前/戦中」との連続と断絶
17.進駐軍クラブの重要性
18.進歩的/左翼的音楽実践:うたごえ、鑑賞団体、「民謡/民族音楽」、流行歌批判
19.日本の「ラジオ・デイズ」:のど自慢、ラジオ歌謡、流行歌の「お茶の間」への浸透
20.メディア環境の変化と「タイアップ」の歴史:歌謡映画・番組主題歌・CMソング
21.音楽産業の変化:「芸能プロダクション」の成立、専属制度の崩壊
22.アメリカ的「若者音楽」の輸入と土着化:ジャズ、フォーク、ロック
23.「前衛」の転換点と「土着」「下降」志向の回帰
24.「演歌」の誕生:音楽的ナショナリズムの構造
25.思想化される「歌謡曲」:山口百恵は菩薩である?
26.八〇年代ニューウェーブの諸相とロック・イデオロギーの盛衰
27.「歌謡曲」から「Jポップ」へ
28.「周縁的」諸実践への視座:アングラ、インディーズ、DJ文化、「ワールドミュージック」、「Jクラシック」
29.世界のなかの「日本近代(大衆)音楽」
30.レポート提出とまとめ
自由記述欄

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