コード TD43-01
系列 史学専攻(修士課程)
授業科目 東洋現代史特講
副題 (現代中国の経済と産業)
副専攻
担当者 沢田 ゆかり
単位 4
期・曜時 通年 金2
対象学年 学部3・4年生も可
特記事項

学習目標
 現代中国が「世界の工場」と称されるにいたった成長の過程を理解し、主要な産業について国際競争力の程度を分析できるようにする。
授業概要
 中国の対外開放と経済改革の特徴について、経済政策と社会政策の両面から検討する。人口政策から労働力の供給の変化を確認したうえで、主要産業別に過去30年間の推移を理解し、中国の国際競争力の強さと弱さを検討する。また投資依存型の経済構造の持つ制約を明らかにする。
テキスト
 授業中に配布する
参考文献・課題図書
 加藤弘之・上原一慶編(2004年)『中国経済論』現代世界経済叢書2、ミネルヴァ書房。(3200円+消費税)
受講生への要望
 授業開始時に毎回コメントペーパーを配布し、終了時に回収する。出欠記録を兼ねるので、必ず忘れずに提出すること
評価方法
 (1)出席、(2)授業中の質疑応答、(3)学年末のレポートを合わせて評価する。
授業計画
1.計画経済から市場経済への転換:漸進主義とショック療法
2.人口圧力と開発主義:毛沢東型社会主義と市場経済
3.一人っ子政策の導入と人口ボーナスの発生過程
4.集団農業から生産請負制への移行:戸籍制度の存在意義
5.農村から都市への出稼ぎ労働力:期待賃金と就業機会
6.農地の使用権と経営権の分離:農業近代化の障壁
7.近代化型食品産業の安全性:自給自足から輸出加工へ
8.繊維産業:衰退する国有企業と私営経済の台頭
9.製靴産業:低賃金を越えた比較優位~南アジアとの比較
10.テレビ産業:選択的育成の実態と自由競争の試練
11.オートバイ:後発メーカーにとっての互換性による優位
12.自動車1:自力更正による国産車への挑戦と限界
13.自動車2:部品メーカーとの連携~VWとGMの比較
14.パソコン:規模の経済~デスクトップから5万円ノートへ
15.携帯電話1:マーケティングによる地場企業の台頭
16.携帯電話2:技術と資本による外資系の反撃
17.鉄鋼産業:零細化と大型化の併存にみるパラドックス
18.中小企業:過当競争の元での生存戦略~信用供与を中心に
19.エネルギー:石炭依存から石油輸入と原子力への転換
20.リサイクル:理念と現実~資源の有効利用か環境保全か?
21.環境汚染:水質と大気汚染~環境ビジネスとしてのCDM
22.衛生と医療:市場メカニズム導入と高騰する費用
23.社会保障:社会不安~「企業から社会へ」の空白地帯
24.企業の社会的責任:CSR活動への意識と実効性
25.金融改革と銀行:財政の出納記録係から信用供与へ
26.株式市場と国有企業:国有株の流通制限と人民元の管理
27.交通と物流改革:値下げ競争の激化と安全性の衝突
28.域内貿易と直接投資:東南アジア、インドとの連携と競合
29.教育と産業1:受験戦争と新卒の就職難の相乗作用
30.教育と産業2:人材の流出と回流~留学生の動き
自由記述欄

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