コード DF22-01
系列 系列:西洋史
授業科目 ヨーロッパ中世史Ⅰ
副題 (フランス中世末期の知識人―ピエール・ダイイとその時代―)
副専攻 D3
担当者 印出 忠夫
単位 4
期・曜時 通年 水4
対象学年 2・3・4年
特記事項

学習目標
 ピエール・ダイイ(1351-1420)の生涯の検討を通じ、現代の知識人のあり方にもつながる中世末期におけるヨーロッパ的知識人像の誕生とその特徴的性格を理解したい。
授業概要
 西欧のすぐれた知識人というと、該博な知識と豊富な人脈を駆使し、旺盛なエネルギーで各国を移動しつつスケールの大きな活動を展開するというイメージがあります。
 こうした知識人像の淵源を歴史の中に求めるとき注目したいのが中世末期です。カトリック教会の制度と大学人のネットワークがすでに西ヨーロッパ全域に張り巡らされていた社会的環境は、知識人が各地で活動する基盤でした。一方、それぞれの国家もその政治的独立性や文化的個性を主張しつつあり、この状況が彼らに対して、解決すべき様々な課題を突きつけました。その最大のものが「教会大分裂(シスマ)」(1378-1417)です。この時代の最大の大学であるパリ大学神学部を代表する存在であり、シスマの解決に腐心したピエール・ダイイのうちに当時の、そして「今」につながる知識人の典型を見い出したいと思っています。
テキスト
 特になし。
参考文献・課題図書
 中世末期を対照とした、フランス史・キリスト教史・思想史・大学史といった領域の文献が参考になります。具体的には授業中に指示します。
受講生への要望
 明快な講義を心がけますが、私の講義は一度欠席すると分かりにくくなるらしいので注意してください。
評価方法
 出席と学年末のレポート。
 また、リアクションペーパーの提出を求める予定。
授業計画
1.イントロダクション
2.中世末期とはどんな時代か―封建制・黒死病
3.            ―nation-state形成の萌芽
4.            ―大学 1
5.            ―大学 2
6.            ―教会 1
7.            ―教会 2
8.            ―教会 3
9.教会大分裂とその収拾まで
10.ピエール・ダイイ―青年時代
11.        ―パリ大学とナヴァール学寮
12.        ―パリでの研究活動
13.        ―大分裂の始まり
14.        ―大分裂の反響
15.        ―表舞台への登場
16.        ―敵と味方
17.        ―ブランシャール問題
18.        ―モンゾン問題 1
19.        ―モンゾン問題 2
20.        ―司教職へ 1
21.        ―司教職へ 2
22.        ―カンブレー掌握
23.        ―第1回「服従撤回」
24.        ―1406年 聖職者会議
25.        ―使節職からピサ公会議まで 1
26.        ―使節職からピサ公会議まで 2
27.        ―60歳のピエール・ダイイ
28.        ―コンスタンツ公会議
29.        ―最後の日々
30.まとめ
自由記述欄

Copyrights 2011 University of the Sacred Heart , Tokyo all rights reserved.

■BACK ■検索システムへ ■TOPへ