コード HA91-01
系列 系列:哲学・思想史
授業科目 哲学・倫理学特講Ⅻ
副題 (愛に生きる思想・恋に死する思想(2))
副専攻 H1
担当者 吉原 裕一
単位 2
期・曜時 後期 木3
対象学年 1(B)・2・3・4年
特記事項

学習目標
 日本思想史における基礎的な概念、倫理学・倫理思想史の基礎的な考え方を習得します。「日本的な〈人倫〉とは何か」という問題に対し、各自が答えを提示することを目標とします。
授業概要
 わが国の近世諸思想の特徴の一つは、「道とはなにか」という問題の共有であるといえます。そうしたテーマを踏まえつつ、この講座では、日本的な心情倫理の精華とも呼ぶべき武士道思想を取り上げ、諸君に〈知識〉としてではなく〈教養〉として理解してもらうことを目指します。
テキスト
 基本的にレジメを配付しますので、教科書の準備は不要です。
参考文献・課題図書
 『髪かざり』山本周五郎、新潮文庫
 『小説 日本婦道記』山本周五郎、新潮文庫
 『死ぬこととみつけたり(上下巻)』隆慶一郎、新潮文庫
受講生への要望
 当講座は、前期の「哲学・倫理学特講Ⅺ」と連繋しますが、もちろん一方だけの受講も可能です。(「Ⅻ」は「Ⅺ」での知識を必ずしも前提とはいたしません。)
評価方法
 出席状況・レポートをもとに考慮します。
授業計画
1.ガイダンス:倫理思想とは何か。学問の方法について。
2.死生観をめぐってⅠ:死んだらどこへゆくのか。生の意義。
3.死生観をめぐってⅡ:「遠離一切顛倒夢想」「まっくら森」
4.死生観をめぐってⅢ:幸福な死とは。殉死・心中の倫理思想。
5.「武士」とは何かⅠ:サムライという虚像。そもそも、我々が武士道を理解する意義はどこにあるのか。鏡の中の世界。
6.「武士」とは何かⅡ:死なない武士。その秘密とは。
7.「武士」とは何かⅢ:死への突入、「常住死身」と「死狂ひ」
8.武士道思想Ⅰ:「主従の契」男が命を投げ出すとき。
9.武士道思想Ⅱ:「忠義などいらぬ、恋するのみ」超越の思想。
10.武士道思想Ⅲ:事実が全ての武士の世界。100%の実現。
11.義理とは何かⅠ:「誰に」対して「何を」果たすのか。
12.義理とは何かⅡ:義理の為に死し、義理の為に生きる。
13.婦道の思想Ⅰ:普遍性の追究。なぜ「日本女性は美しい」のか。武士道思想の理解を踏まえて。
14.婦道の思想Ⅱ:近代という災厄~疎外されゆく女性。
15.総括:あらためて〈日本における人倫〉とは何かを考える。
自由記述欄

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