コード WB19-01
授業科目 フェミニスト・カウンセリング特論
副題 (女性のエンパワーメントのために、ジェンダー問題に敏感な視点でのカウンセリングを考える)
副専攻
特記事項
担当者 川喜田 好恵
単位 2
期・曜時 前期 集中
対象学年 院生のみ

学習目標
 女性へのカウンセリングを志すにあたって、現代社会で女性が受ける発達心理上のジェンダーバイアスと悩み/被害の背景にあるジェンダー問題を理解し、悩みの解決や被害の回復のために必要な援助のあり方について学ぶ。
授業概要
 講義と話し合いを交えたセミナー形式で行われる。フェミニズム運動が女性への対人援助に与えた影響を概観し、女性の心理的発達におけるジェンダーの影響を学び、性暴力/DV/ハラスメントなどの被害者の回復と支援のためのカウンセリングの考え方や技法に着いてフェミニズムの視点で考察する。
テキスト
 フェミニストカウンセリング研究 創刊号 日本フェミニストカウンセリング学会発行 新水社 2002
参考文献・課題図書
 ジェンダーのレンズ サンドラ・ベム(著) 川島書店 1999
 ジェンダー秩序 江原由美子(著)そうけい書房 2001
 家族間暴力のカウンセリング 家族心理学年報23 金子書房
 認知行動療法入門 B.カーウェン他(著)混合出版 2004
受講生への要望
 フェミニズムに関心のある人もない人も、ともに考える意欲を歓迎します。集中講義なので、セミナー形式でヴィデオ・DVD なども使用しながら行います。より倫理的かつ効果的な対人援助を目指すなら、ジェンダーの問題は避けて通れません。受講生の討議などへの積極的な参加を望みます。
評価方法
 1)授業への積極的な参加、2)主体的に考える姿勢と社会的公正さに対する感受性、3)修了レポートの内容、の三点を総合的に評価する。
授業計画
1.フェミニズム運動の背景・歴史とそれが対人援助に与えた影響
2.ジェンダー概念の導入によってあきらかにされた、身体的・性的領域における女性の搾取とその心理的影響
3.女性の心理発達におけるジェンダーの影響
4.コンシャスネスレイジングを体験する
5.従来の心理理論におけるジェンダー・バイアスを考える
6.母娘関係、夫婦関係などをジェンダー問題の視点から分析する
7.フェミニストカウンセリングの考え方/プロセスと技法①
8.DV/虐待など家族内被害の背景のジェンダー分析
9.フェミニストカウンセリングの考え方/プロセスと技法②
10.ケース検討
11.性暴力・セクハラ・DV被害者などの心理
12.トラウマ体験の後遺症(PTSDなど)と治療
13.ケース検討
14.フェミニストカウンセリング倫理
15.修了レポート作成
自由記述欄
 さまざまな女性の悩みや被害は、実はどこかで、全ての女性の問題に繋がっています。カウンセリングを受ける側もする側も、ジェンダーの問題に気づき取り組むことで、ともに成長し本来の力を取り戻すことが出来ると実感しています。

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