コード CB36-01
授業科目 古典文学研究Ⅵ
副題 (中世文学の世界)
副専攻 C1
特記事項
担当者 吉野 朋美
単位 2
期・曜時 前期 月3
対象学年 1(B)・2・3・4年

学習目標
 さまざまな中世の文学作品を、当時の社会状況を考慮に入れつつ、読み解いていくなかで、中世の文学作品の特質を学ぶ。
授業概要
 講義形式でおこなう。平安時代までの伝統や文化の面影を強く残しながら、武士や経済力を持つ庶民など新興勢力が新しい文化や秩序を各地にもたらした――それが中世(おおよそ13~16世紀)である。内乱が次々と起きた激動の世にふさわしく、人々の救済を目指す新しい宗教や上下貴賤を問わない芸能が生まれ、失われつつある王朝文化への憧れが伝統を根付かせていった時代でもあった。この講義では、この時代に特徴的な「人身売買」を描いた作品を取り上げ、それがどのように描かれるかを見ていく。折々、絵や映像を用いる予定。なお、以下の授業計画は、進行の度合い、受講生の意見や希望で適宜変更していくことがある。
テキスト
 プリントを配布する。
参考文献・課題図書
 授業時に紹介する。
受講生への要望
 受講生の感想や意見を参考にして授業を進めるので、積極的に講義に参加する姿勢で受講することを期待する。
評価方法
 出席時に書くコメントシート(リアクションペーパー)、期末の試験によって評価する。課題としてショートレポートを課すこともある。
授業計画
1.中世文学の特質1 文化の担い手の広がりと文学
2.中世文学の特質2 「伝統」のゆくえ
3.中世文学の特質3 思想・宗教とのかかわり
4.中世のお買い物事情
5.市と買い物――『一遍上人聖絵』等の「市」の様子について
6.日本における人身売買の歴史
7.史料に見る人身売買の例
8.『撰集抄』『沙石集』の説話から
9.謡曲に見る人身売買1「自然居士」「桜川」を通して
10.謡曲に見る人身売買2「隅田川」を観る
11.謡曲・狂言に見る人身売買 「三井寺」「磁石」
12.人身売買と異国 謡曲「唐船」、『老松堂日本行録』を通して
13.説経「さんせう大夫」をよむ1 概要
14.説経「さんせう大夫」をよむ2 描かれ方の分析
15.説経「さんせう大夫」をよむ3 分析続き、森鷗外『山椒大夫』との比較
自由記述欄

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