コード HC93-01
授業科目 東洋美術史Ⅰ
副題 (仏教説話美術の研究―本生話―)
副専攻
特記事項
担当者 秋山 光文
単位 2
期・曜時 前期 火2
対象学年 2・3・4年

学習目標
 インド仏教美術史において、仏教説話図がどのように発生し、経典(テキスト)の内容とどのように相関するのかを解明する。
授業概要
 アジア各地に展開した仏教美術の淵源として、東洋美術の一つの核を形成するインド古代美術史を概観しつつ、最近の南アジア研究の成果に基づいて、古代インドにおける仏教説話図像の成立プロセスを考察する。特に、ブッダの前生物語(ジャータカ)について、経典(テキスト)と図像の相関を中心に、経典成立時期と図像の変容を、インドから東アジア、東南アジアに展開した作例をもとに、地域性と歴史的背景から検討する。
テキスト
 テキストは特に指定しないが、必要に応じて講義時間中に適宜ハンドアウトシートを配布する。
参考文献・課題図書
 *高田 修『仏教説話と美術』(講談社学術文庫1635)2004年 講談社
*前田耕作(編)『カラー版東洋美術史』2000年 美術出版社
*宮治 昭『インド美術史』(歴史文化セレクション) 2009年 吉川弘文館
*V.デヘージア(宮治昭・平岡三保子訳)『インド美術』(岩波 世界の美術)2002年 岩波書店
受講生への要望
 2回の授業を1セットとし、テキストの検証と作例の紹介を交互に行う。講師が現地で撮影した画像をはじめ、多様な視覚メディアを使用しながら分かり易い講義を心懸けるが、説話ごとに多くの資料を読み込むので、欠席が多いと授業の内容が理解できなくなる。要注意。
評価方法
 学期末に指定する課題(レポート)と、出席状況を総合して評価する。
授業計画
1.Ⅰ.序 インド美術史における地域区分と時代区分
2.Ⅱ.仏教説話の分類と概要
3.Ⅲ.前生物語(ジャータカ)をめぐるテキストと諸作例
 ・「大猿本生」に関するテキストの検証
4.・「大猿本生」の諸作例
5.・「大鹿本生」に関するテキストの検証
6.・「大鹿本生」の諸作例
7.・「六牙象本生」に関するテキストの検証
8.・「六牙象本生」の諸作例
9.・「シビ王本生」に関するテキストの検証
10.・「シビ王本生」の諸作例
11.・「ヴェッサンタラ本生」に関するテキストの検証
12.・「ヴェッサンタラ本生」の諸作例
13.・「マハサッタ本生」に関するテキストの検証
14.・「マハサッタ本生」の諸作例
15.Ⅳ.まとめ
自由記述欄
 実物のインド彫刻や絵画を目にする機会はそれほど多くはありません。それでも、新装なった東京国立博物館東洋館をはじめ松岡美術館や根津美術館など都内の国立・私立美術館には質の高いコレクションがあります。機会を見つけ、是非本物と接してください。美術史の勉強は、ものを見ることから始まります。

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