マリアンホール

 カトリック教会のマリアの年に因んで名付けられたホール。2階建、延べ1,993m2で、1階はパーラーと呼ばれる会議室、応接室、2階は1,000人収容の大講堂となっています。設計は竹腰健造(たけごしけんぞう)氏。1954年10月7日、土井大司教の完成祝別式があり、11月7日には建設協力者のための記念音楽会が開催されました。

 4本の四角い列柱をもつファサード(正面)上方前面にはラテン語で「いときよき聖心(みこころ)の大学」「至聖なる聖心の大学」を意味するラテン語、STVDIORVM VNIVERSITAS SACRATISSIMI CORDIS (スッディオールム・ウニベルシタス・サクラティシミ・コルディス)と刻まれ、高い塔屋を持っています。
 設計の竹腰氏が、欧米各地にある聖心会の姉妹校に共通する伝統的建築様式を研究した結果生まれた、大学の象徴となる品格あふれる建物です。正面ホールの床デザインはローマの聖心会総本部玄関をモデルとしています

 中に入ると床には、研ぎ出し人造石が用いられています。応接室No.2には1984年から86年にかけて、世界聖心同窓会(AMASC・アマスク)の本部が置かれていました。

 1階中央廊下の突き当たりには、「MATER ADMIRABILIS」(マーテル・アドミラビリス(感ずべき御母))と名づけられた聖母マリアの絵が飾られています。
 原画は、ローマ市内のスペイン広場の階段を登った所にあるトリニタ・ディモンティ修道院にある壁画で、19世紀半ば頃、一修道女によって描かれたもの。

 この聖母像は、学院の創立者、聖マグダレナ・ソフィア・バラが目指した女性の理想像を表すものとして親しまれ飾られています。1801年、フランスのアミアン市に最初の聖心女子学院が創立されて以来、いまや世界各国に広がった聖心女子学院のどの姉妹校を訪れても必ずこの聖画を見ることができ、その創立者の教育理念の精神を伝えています。この絵は、「希望」のある未来を示すあけぼのを背景に、ふと手仕事をやめて、心を神にささげる若き聖母マリアの姿です。バスケットの上に伏せられた読みかけの本によって示される「学問」への関心、手にする糸紡ぎ機に表される「労働」の貴さ――ここに祈り、考え、働くという基本的な人間の生きる姿勢が描かれています。また、傍らに咲くユリの花は「清純」の徳を表します。神を信頼して生きた聖母マリアのように、命をはぐくみ、大切にし、神と人への愛にこたえていく女性の品位と使命を象徴しています。
 大学を象徴するこのマリアンホールの中心に、この絵が飾られるのはごく自然なことといえます。

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