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医療領域における心理臨床家の役割と支援の実際

  • 心理学科

中野 博子 教授

臨床心理学、カウンセリング、心身医学

研究のテーマ

医療領域における心理的支援、心理臨床家による家族支援、心理臨床家の育成

研究テーマの内容、研究活動

NICU(新生児集中治療室)は、医療の中でも常に生と死が隣り合わせの領域です。医師、看護師をはじめとする医療専門職が関わる、救急医療の最先端の現場に心理師が関わるようになった歴史は開始したばかりです。しかし、生命の維持や重篤な病気を抱えている赤ちゃんの家族は、赤ちゃんの誕生前、誕生後を通じて常に病状や退院後の生活に不安を抱えています。
救急現場であるがゆえに赤ちゃんの救命が第一の目的となることは間違いないですが、だれもが入院中の赤ちゃん家族のストレスが高いことは理解しており、支援の必要性を感じています。医療においては家族への支援が届きにくくなるのも事実です。救急現場において赤ちゃんや家族にとってどんな心理的な支援を行えるかについて考えることが研究テーマです。
現場の心理師が遭遇する様々なケースを通して、心理臨床の専門家として、直接身体的な治療には関わることのできない心理臨床家が、赤ちゃんやその家族のために多職種によるチーム医療の現場でどのような貢献が可能かについて考えています。

カウンセリングで用いる面接室の例
プレイセラピーで用いるプレイルームの例
箱庭療法の例

研究テーマの意義・面白さ

長い間、医療を中心とした臨床心理学の現場で仕事をしてきました。そのため研究は殆ど実際の臨床現場で出会った経験をもとに、いかに支援につなげられるかという視点で行っています。例えば、クライエントさんをどう支援していくのかを考えるためのクライエントさんのアセスメントを行い、そこでどのような支援が必要なのかといったことを現場を中心に考えていくような内容です。
大学で心理学を学び、卒業後臨床心理学に魅力を感じてこの世界に入りました。大学院在学中に大学病院の新たな診療科として心療内科が開始する際に心理職として採用されました。多くの患者さんをいかに支援すべきかや、学んできた心理的視点から医療領域での役割とはどういうことかについて探究してきました。その後、精神科、NICU他での実践を経験し現在に至っています。臨床の仕事に関わってきましたが現在も課題は増える一方です。さらに多くの患者さんの支援について新たな視点を研究していきたいと思っています。

高校生や学生へのメッセージ
2017年に初の心理の国家資格として誕生した公認心理師に関心を持っている方も多いと思います。心理臨床の仕事は、発展途上にあって様々な職種との協働をはじめとして、課題がたくさんあります。したがってこれから学んでいかれる皆さんが新たに出会い、発展していける可能性の大きい体系です。既存の学問を学んで身に着けるというよりも新たな領域に発展させていくために意欲ある若い皆さんのパワーを大いに期待しています。
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