授業概要 |
江戸参府に関する史料を読む。 長崎出島のオランダ商館長カピタンが貿易継続の御礼のために、江戸へ旅をし、将軍に拝礼、珍貴な献上物を呈上した。これをカピタンの江戸参府といっている。 鎖国下の日蘭交流、異文化理解の実況を具体的に読み取ってみたい。そして、論文作成の準備をしてみたい。 |
課題・評価 |
小論文の作成 |
テキスト |
片桐一男『江戸のオランダ人──カピタンの江戸参府』(中公新書) |
参考文献 |
片桐一男『阿蘭陀宿海老屋の研究』思文閣出版 |
受講生への要望 |
関連する文字史料や絵画資料などを図書館・博物館等で沢山見付けてみて下さい。 |
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授業計画 |
オランダ船の日本への航海記。長崎出島滞在中の貿易業務。江戸参府旅行の準備。江戸参府道中の様子。長崎街道。瀬戸内海の船旅。下関、室津、兵庫など港町の見聞。大坂、京都、江戸など主要都市の見聞。旅日記。 将軍への献上物、幕府高官等への進物。 江戸城での拝礼の様子。 江戸、京、大坂、下関、小倉、主要五都市のオランダ宿滞在中の交流の様子。宿の日記。 将軍などからの下され物。残品の販売。 暇乞いの挨拶と、守るべき「御条目」の読み聞かせの儀式。そこに幕府の対外方針の基本もみえてくる。 帰路、主要都市における買い物と見物。 対談や交換教授、贈物の交換。調査・研究。 日蘭双方の史料を探ってみると、江戸時代の対外交渉史として、文化交流史として、交通史・物流史として、異文化交流史として、人・物・情報をキー・ワードに、多角的に、実態の諸相がみえてくるであろう。 そこには、時代と、社会に生きる人の知恵がみえてくるであろう。魅力は尽きない。 |
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