授業概要 |
明治維新後、伝統的価値観を喪失した日本人のうち、ある人々はキリスト教にあらたな生きる根拠を求めた。そうした中のひとり、内村鑑三(1861-1930)のHow I Became a Christianと『基督信徒のなぐさめ』を読む。前者では、彼のキリスト教信仰獲得への軌跡を、後者では、彼の獲得した強い信仰のありようを考える。 |
課題・評価 |
出席、発表。また前回の内容についてのコメントを、毎回授業のはじめに提出する。 |
テキスト |
内村鑑三 How I Became a Christian : Out of My Diary (『内村鑑三全集』第3巻、岩波書店)/鈴木俊郎訳『余は如何にして基督信徒となりし乎』岩波文庫/『基督信徒のなぐさめ』岩波文庫→同書は現在在庫僅少のため、手に入れば。基本的には全集のコピーを配布する予定。しかし、岩波文庫版には注もあり、読みやすい。 |
参考文献 |
関根正雄『内村鑑三』(人と思想25)清水書院 1967年 他。 |
受講生への要望 |
一時代前の日本語に慣れていないと、読解に少々苦労するかもしれない。いわゆる文語調を読み慣れるのはそれほど困難なことではないが、当面は忍耐を強いられる。 |
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授業計画 |
1.近世的世界観とその崩壊 2.近代的自我の苦悩 3.内村鑑三How I Became a Christianを読む。 (1)異教 (2)基督教に接す (3)初期の教会 (4)新教会と平信徒伝道 (5)世の中へ−感傷的基督教 (6)基督教国の第一印象 (7)基督教国にて−慈善家の間にて (8)基督教国にて −ニュー・イングランドのカレッヂ生活 (9)基督教国にて−神学の一瞥 (10)基督教国の偽りなき印象−帰国 4.『基督信徒のなぐさめ』を読む。 (1)愛するものの失せし時 (2)国人に捨てられし時 (3)基督教会に捨てられし時 (4)事業に失敗せし時 (5)貧に迫りし時 (6)不治の病に罹りし時 ※テキストの読み進め方については、受講者と相談して決める予定。
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