授業概要 |
江戸時代後期の流行作家、曲亭馬琴の中編読本『昔語質屋庫』を注釈する。この作品は、質庫に収められた品物が、それぞれの由来を語るという形式で、古来の説語、故事などを抜瀝するため、多くの先行文献との関係があり、江戸文化全体を見渡すことも出来る。また、江戸読本を読解することによって、江戸時代の人々が共有していた教養や知識、関心などを理解し、現代を考えなおすきっかけを作る。 |
課題・評価 |
担当部分口頭発表。発表用資料。他の発表者への意見・質問。補遺レポート。場合によって試験を行う。 |
テキスト |
架蔵本を電子画像で配布する。受講者が必要に応じてプリントする。最初から紙で必要な人は申し出ること。 |
参考文献 |
授業時間中に指示する。 |
受講生への要望 |
質問はなるべく携帯メールや電子メールを利用して欲しい。返信以外こちらからの連絡は取りません。その点に留意すること。 |
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授業計画 |
『昔語質屋庫』の後刷り本をテキストとして配布し、翻刻と注釈を行う。授業は演習の方法、調べ方、資料の作り方、基本的なツールについて。読本の概念の説明。馬琴という作家の説明。などを講義形式で行い、この間に人数を確定し、テキストを作成・配布する。また、受講者の担当する範囲を確定する。各受講者が担当範囲について、資料を作成し、担当部分の読み方、全体の意味、言葉・事象の意味、作品の中でその部分がどのような位置・意味を持つかについての考察、担当者が発見した問題点などをクラス全員が理解できるように説明する。また、担当者以外の受講者には、質問・意見陳述を促す。 一年間でこの作品を以上のように精読しながら読み通すことは不可能であるから、教室ではごく限られた一部を読むことになる。 発表はクラスの人数によるが、最低一回は行う。クラス人数が二十人以下であれば、二回になる可能性がある。 発表・資料作成の参考書などは、年度始めに行う説明では、担当箇所ごとに存在する特殊な問題まではカバーできないので、できれば発表一週間前までに内田に相談すること。
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