コード CB83-01
系列 系列:日本文学
授業科目 児童文学研究Ⅱ
副題 (現代児童文学の描く成長―12歳という転機―)
副専攻 C1
担当者 藤本 恵
単位 2
期・曜時 後期 木2
対象学年 2・3・4年
特記事項

授業概要
 子どもの<成長>を描くことは、現代児童文学の大きなテーマの一つである。いわゆる成長物語には、子どもの「こうありたい」という希望、大人の「こうあってほしい」という願望、それを取り巻く社会状況などが絡み合う。それを解きほぐして、子どもと大人、社会の関係を考えていく。具体的には、日本の児童文学で特に<成長>の転機となり、ドラマを生みやすい12歳という年齢を個々の作品がどう扱ってきたのか、年代ごとに読みとる作業を行う。
課題・評価
 授業への取り組み(出席、提出物等)と、学期末に課すレポートによって行う。
テキスト
 特に指定しないが、扱う作品は、事前に通読しておくことが望ましい。
参考文献
 資料としてプリントを配布する。また、授業の中で適宜紹介していく。
受講生への要望
 授業で扱う作品は事前に読もう、それが無理なら、事後には読もう、という意欲のある学生の参加を期待します。読まなくても講義は理解できるよう工夫しますが、私の示すあらすじやテーマを鵜呑みにして、自分の目で確かめようとしない学生は物足りない…と思っています。
授業計画
①導入―翻訳の不思議
  アニカ・トール『ノーラ、12歳の秋』
②1980年代の12歳
  那須正幹『それいけズッコケ三人組』
  薫くみこ『十二歳の合い言葉』
③1990年代の12歳
  梨木香歩『西の魔女が死んだ』
  森絵都『アーモンド入りチョコレートのワルツ』

 ①では、近年、翻訳されたスウェーデンの現代児童文学を紹介する。これを通して、日本の現代児童文学の特徴を概説したい。②・③では、各年代に多くの読者を獲得した作品を読み、私たちの社会が描く<成長>イメージの変遷をたどる。
 一つ一つ作品を紹介し、できるだけ丁寧に読むことで、作品と社会状況、あるいは、作品と読者それぞれの問題意識を結びつけ、考察する方法を示す。
 必要にしたがって、上に示した以外の作品も紹介するつもりである。

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