コード DB51-01
系列 系列:日本史
授業科目 日本近世史Ⅰ
副題 (幕藩制国家の成立と展開 ―蝦夷地・奥羽の視点から―)
副専攻 D1
担当者 千葉 一大
単位 4
期・曜時 通年 月2
対象学年 1(B)・2・3・4年
特記事項

授業概要
 日本史を考えるあり方のひとつとして、地域史の研究という方向性が定着しつつある。しかし、地域史を考える上では、その時代の地域を規定する政治や権力のあり方、中央権力と地域権力との関係や、経済・社会の諸側面を検討することが必要であり、地域の特性・主体性を踏まえて歴史を考えるためには、国家と地域の関係、地域間のつながりということを見つめねばならない。地域史を研究することは地域の中の歴史だけを研究することとイコールではないのだ。
 本講がフィールドとする北日本地域の歴史は、「北からの日本史」の構築を目指して、さまざまな史料の掘り起こしと、それにもとづいた諸研究の発表によって進展をみせている。それらの成果を生かし、上に述べた点を踏まえながら、近世国家における北日本の占める位置についてさらなる考察を加えようというのが本講義の目的である。
 この講義を通して、近世のこの国の姿・形を考えたり、自分にかかわりのある地域の歴史を考える契機にもしてもらいたい。
課題・評価
①夏期休業に課題レポートを課す。
②後期末に定期試験を実施する。
③いわゆる平常点(講義への出席・受講態度など)を評価の加点要素とする。
 以上の諸点を総合的に考慮して最終的な成績評価を決定する。
テキスト
 テキストは指定せず、随時レジュメ・資料を配布する。
参考文献
 講義内容を更に深く理解するための参考文献は、講義のなかで随時紹介し、区切りごとにリストも配布する。
受講生への要望
 対象地域が蝦夷地・奥羽地方だからといっても、本科目は北海道・東北地方出身者のみを対象として開講する講義ではない。幅広く地域史や日本近世史に興味や関心をもっている学生の参加を歓迎したい。
授業計画
 講義初回にオリエンテーションを実施し、本年度の講義の進め方、評価方法など、本講義の詳細について説明するので、受講希望の学生は参加されたい。
 今年度は夏期休業を挟んで大きく2部構成としたい。
 前期は織豊政権から寛永年間(1624~1644)にかけての蝦夷地・奥羽の近世における地域権力の形成について概説する。大凡次の諸点について述べようと考えている。
 ○「惣無事」体制と北奥羽 
 ○豊臣政権と蝦夷地・奥羽の大名たち
 ○慶長5・6年の動乱(関ヶ原合戦)の影響
 ○幕藩制国家の成立と蝦夷地・奥羽
 ○金と馬と鷹  ○地域支配体制の構築過程
 後期は近世の蝦夷島について、以下に挙げる諸点を中心に論じ、幕藩制国家のなかにおける同所の位置づけを考えたい。
 ○近世の蝦夷地と奥羽の関係 
 ○幕藩制国家における松前藩
 ○寛文・寛政のアイヌ民族蜂起と幕藩制国家
 ○蝦夷地警備と奥羽 
 なお、講義の進捗状況などによって計画に変更がありうることをあらかじめ断っておく。

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