コード HD31-01
系列 系列:キリスト教学
授業科目 キリスト教美術
副題 (キリスト教図像学(マリア伝))
副専攻
担当者 遠山 公一
単位 4
期・曜時 通年 月3
対象学年 2・3・4年
特記事項

授業概要
 美術史の主題研究をイコノグラフィー(図像学)と呼ぶが、キリスト教美術の優れた絵画・彫刻作品を、マリア伝の主題にのっとって見ていく。中世、ルネサンス、バロック時代の絵画・彫刻を中心として、テクスト(聖書・外典)との関わり、象徴・記号表現、祭壇画・墓などのオリジナルの機能の問題などを論ずる。
課題・評価
 前期・後期に試験を行う。
テキスト
 聖書の該当ページ、その他の宗教テキストを授業中に配布
参考文献
 J・ホール『西洋美術解読辞典』(吉川弘文館)など
受講生への要望
 本講義は、キリスト教の基本的な知識や理解を必要とするが、あくまで美術史の講義である。柔軟な感性と観察力を養っていただきたい。
授業計画
 マリアの生涯に含まれる図像の順番に従って、作品を見ていく。聖書が中心となるが、マリア伝の場合、過去の作品にはいわゆる外典・偽典をもとにしたものも多い。今日における宗教的な重要性よりも、多くの優れた作品を知ってもらうために美術的な重要性を優先して図像をクロノロジカルに選んでいく。
 前期は、受胎告知を例に取り、基本的なキリスト教図像学とはいかなるものなのかを説くことから始める。次に幼児イエス伝(キリストの受肉)に見られるマリア(訪問、降誕、神殿奉献、エジプト逃避など)を見た後、マリアの生涯を、マリアの誕生伝から結婚まで戻って辿っていく。後期には、多くの聖母子あるいは聖母の単独の図像や聖家族などを見てから、キリストの受難伝におけるマリア(キリストの磔刑、ピエタ、埋葬など)を経て、キリスト昇天後のマリアの死、被昇天、戴冠に至る予定。
 それぞれの作品の時代背景や教会の基本的姿勢を説明していくが、各図像表現がもつ美術的な課題に特に留意して、イメージという手段を選択した必然性やそのために生じる興味深い問題点を浮き彫りにしていきたい。
 毎時間プリント類を配布して、スライドを見ながら講義を行っていく。

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