コード WD73-01
系列 人間科学専攻(博士前期課程)
授業科目 学習心理学特論Ⅱ
副題 (感情障害の研究の現状を学ぶ)
副専攻
担当者 高橋 雅延
単位 2
期・曜時 後期 木1
対象学年 院生のみ
特記事項

授業概要
 いわゆる「知情意」と呼ばれる心の働きの中の「情」に関した知見を知ることは、心理学のどの分野を専門とする者にとっても必要不可欠である。この授業では、感情障害に関する最新の知見と動向を知るために、前半は認知心理学から見た感情障害について、後半は侵入思考というトピックを取り上げ、2冊のテキストを読みながら学んでいく。
課題・評価
 発表(内容および発表技法を評価)70%、質疑応答・討論とコメント(論理性、明確性などを評価)30%
テキスト
 (前半)A.ウェルズ/G・マシューズ 箱田裕司・津田彰・丹野義彦(監訳)(2002). 心理臨床の認知心理学-感情障害の認知モデル- 培風館/(後半)デイビッド・A・クラーク(著)丹野義彦(訳/監訳)杉浦義典・小堀修・山崎修道・高瀬千尋(訳)(2006). 侵入思考-概念はどのように病理へと発展するのか- 星和書店
参考文献
 ディラン・エヴァンズ 遠藤利彦(訳・解説)(2005). 感情 岩波書店
受講生への要望
 心理学の複数の領域から感情障害について学ぶので、感情研究に初めて触れる院生だけでなく、最新の知見を知りたい院生、自分の領域の感情の位置づけに悩んでいる院生も歓迎する。
授業計画
 授業は2冊のテキストの各章の分担発表をもとにした質疑応答、討論が中心となる。以下に、おおよその授業計画を示した(詳細は、授業第1回目のオリエンテーションで明示するので、必ず出席すること)。
(1)オリエンテーション(レジュメの作成法、発表方法、評価の方法、オフィスアワー、テキスト発表の割り振りなど)
<前半のテキストの分担発表>
(2)はじめにー感情障害の認知理論/注意ー基礎概念と理論的問題
(3)注意ー個人に関わる複雑な感情的刺激の選択/感情障害における注意のバイアス
(4)注意における感情的バイアスー理論的問題/感情障害ー注意欠陥
(5)思考の内容ー感情障害における思考/ストレスの相互作用主義のアプローチ
(6)自己注目/注意の操作ー治療的な効果はあるのか?
(7)注意障害が先か,感情障害が先か/理論的統合ーSREF(自己調節実行機能)モデルの提案/SREFモデルから見た心理療法の効果
<後半のテキストの分担発表>
(8)健常者にみられる侵入思考:臨床的障害との関連性/外傷後ストレス障害における侵入思考
(9)慰安を求め絶望に出会う:うつ病における侵入思考の持続/不眠症にみられる侵入思考
(10)心配、侵入思考、全般性不安障害:メタ認知理論と治療/考えることは信じるということ
(11)精神病と侵入思考/性犯罪者の侵入思考・空想
(12)意思とは無関係な侵入思考
(13)授業のまとめ

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