コード EG13-01
系列 系列:人間関係
授業科目 文化人類学特講3
副題
副専攻 E1
担当者 上杉 富之
単位 2
期・曜時 前期 火2
対象学年 2・3・4年
特記事項

授業概要
 体外受精やクローン技術等,生殖技術の急激な進歩は親子や男女関係,死生観,身体観など、人類社会にとって基本的な文化的・社会的緒前提の再検討を迫っている。この種の問題に人類学(文化人類学)はいかに取り組むことができるのか? 医学や生命倫理学,法学,ジェンダー研究等の対応を参照しつつ,現代の人類学の可能性を検討する。その際,特に,現在進行しつつある親子と家族の多元化・多様化に焦点を当てるものとする。
課題・評価
 学期末に実施する試験の成績に、授業時間内に随時実施する質疑応答・小テストなどの結果を加味して評価する。
テキスト
 上杉富之(編著)『現代生殖医療-社会科学からのアプローチ-』(世界思想社,2005年)
参考文献
 石原 理『生殖革命』(筑摩書房,1998年)。
 河口和也『クイア・スタディーズ』(岩波書店,2003年)。
 金城清子『生命誕生をめぐるバイオエシックス』(日本評論社,1998年)。
 総合研究開発機構・藤川忠宏(編)『生殖革命と法』(日本経済評論社,2002年)。
 G.チョーンシー(上杉富之・村上隆則訳)『同性婚』(明石書店,2006年)。
 柘植あづみ『文化としての生殖技術』(松籟社,1999年)。
 出口顕『誕生のジェネオロジー-人工生殖と自然らしさ-』(世界思想社,1999年)。
受講生への要望
 現代社会で私たちが直面しているさまざまな文化的・社会的問題に取り組むためには,既存の学問領域を「越境」しなければなりません。文化人類学を切り口とした先端的生殖医療をめぐる問題への取り組みを通してそれを実感し,受講生自らが超領域的研究に現代の諸問題に果敢に取り組むことを期待します。
授業計画
1.現代文化人類学の射程
  -人類学は今何に取り組んでいるのか?-
2.問題は何か?
  -生殖革命と人類学-
3.先端的生殖医療
  -始まりとしての「試験管ベビー」-
4.「不妊」から「不妊症」へ
5.生殖革命の余波(1)  
  -精子/卵子バンクと代理出産-
6.生殖革命の余波(2)
  -だれが親になるのか?-
7.生殖革命の余波(3)
  -人はいつから人になるのか?-
8.生殖革命への対応(1) 
  -マス・メディア-
9.生殖革命への対応(2)
  -法規制- 
10.生殖医療の考え方(1)
  -医学と法学-
11.生殖医療の考え方(2)
  -生命倫理学とジェンダー研究・フェミニズム-
12.生殖医療の考え方(3)  
  -通文化比較:民俗生殖理論と幽霊婚の意味するもの-
13.生殖医療の考え方(4)
  -文化史/社会史:nuclear family からunclear familyへ-
14.生殖医療の考え方(5)
  -エスノグラフィー:ゲイ/レズビアン家族とクイア理論-
15.一元論的親子観から多元論的親子観へ
  -再構築される社会と文化-

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