コード HC91-01
系列 系列:美学・美術史
授業科目 東洋美術史
副題 (インド古代美術史の諸問題)
副専攻
担当者 秋山 光文
単位 4
期・曜時 通年 火3
対象学年 2・3・4年
特記事項

学習目標
 インド古代美術史における諸問題に関し、基礎的な知識を習得した上で、問題の所在について考察し理解できる能力を養う。
授業概要
 アジア各地に展開した仏教美術の淵源として、東洋美術の一つの核を形成するインド古代美術史に関し、最近の研究によって新たな展開の見える諸問題について作例をもとに考察する。特に古代初期における仏教美術の特質および古代中期における仏像の成立、アジアにおける古典様式の基盤ともいうべきグプタ様式の成立を大きなテーマとして取り上げ、インドにおける造形活動が、いかなる歴史的・文化的背景から展開するのかを概観したい。
テキスト
 テキストは特に指定しないが、必要に応じて講義時間中に適宜ハンドアウトシートを配布する。
参考文献・課題図書
*前田耕作(編)『カラー版東洋美術史』2000年 美術出版社
*V.デヘージア(宮治昭・平岡三保子訳)『インド美術』(岩波 世界の美術)2002年 岩波書店
*高田 修 『仏教説話と美術』(講談社学術文庫1635)2004年 講談社
*宮治 昭『仏像学入門:ほとけたちのルーツを探る』2004年 春秋社
*H.ツィンマー著.宮元啓一訳 『インド・アート』『神話と象徴』1988年せりか書房
*J.ミッチェル・神谷武夫(訳)『ヒンドゥ教の建築』1993年 鹿島出版会
受講生への要望
 エスニックな文化について興味を持つ学生の参加を歓迎する。視覚メディアを使用しながら分かり易い講義を心懸けるが、欠席が多いと講義のスピードについていけないので要注意。
評価方法
 前期末と後期末に、それぞれ講義内容に関するレポートの提出を義務づけ、出席状況を加味しつつ総合的に評価する。
授業計画
1.Ⅰ.序 インド美術史における地域区分と時代区分
2.Ⅱ.仏教美術の始まり 1.マウリア時代の美術
3.・アショーカ王時代の石造美術
4.・アショーカ王柱の様式的展開
5.・模刻柱の特質
6.2.仏塔をめぐる造形 a.仏塔の構造と象徴性
7.b.仏教説話図の諸作例 ・バールフット(1)
8.・バールフット(2)
9.・サーンチー(1)
10.・サーンチー(2)
11.・ボードガヤー
12.Ⅲ.仏教寺院の諸形態 1.伽藍の成立
13.2.初期仏教石窟寺院の展開 ・チャイティア窟(1)
14.・チャイティア窟(2)
15.・ヴィハーラ窟
16.Ⅳ.仏教美術の展開-仏像の誕生- 1.西北インド-ガンダーラの史的展開-
17.・ガンダーラ美術の発生
18.・ガンダーラにおける仏像制作
19.・ガンダーラ仏の図像
20.2.インド式仏像の出現-マトゥラー-
21.・マトゥラーにおける仏像制作
22.・マトゥラー仏の図像
23.・仏像の起源論争
24.3.南インド-アーンドラ地方の仏教美術- ・サータヴァーハナ朝と仏教美術
25.・アマラーヴァティーにおける造形活動
26.・アーンドラ地方における仏像の成立
27.Ⅴ.古典様式の完成  1.後クシャーン様式とグプタ様式の成立
28.・マトゥラーとサールナートにおけるグプタ様式
29.2.ヒンドゥー美術の出現 ・ヒンドゥー神話と尊像
30.・ヒンドゥー美術の展開
自由記述欄
実物のインド彫刻や絵画を目にする機会はそれほど多くはありません。それでも、東京国立博物館をはじめ松岡美術館や根津美術館など都内の国立・私立美術館には質の高いコレクションがあります。機会を見つけ、是非本物と接してください。美術史の勉強は、ものを見ることから始まります。

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