コード BD30-01
授業科目 基礎課程演習 1
副題 (日本語教育入門 -外国人が日本語を学ぶこと-)
副専攻
特記事項
担当者 佐久間 勝彦
単位 2
期・曜時 前期 水5
対象学年 1年

学習目標
 外国人が日本語を勉強する、そのお手伝いをするのが日本語教育である。本演習は、その日本語教育の世界がどのようなものか、その面白さや難しさについて話し合いながら理解を深める。
 海外の日本語教育の様子を紹介しつつ、外国人が日本語を学習することの意味について考え、それを踏まえて、第二外国語学習の意味、国際交流、国際協力、南北問題、共生などについて学ぶ。
授業概要
 次の3つのテーマを少しずつスパイラル的に扱っていく予定である。
  ① 外国人にとって日本語はどのような難しさがあるか。
  ② 外国語の学習はどのような意味があるか。
  ③ 日本語教育はどのような問題に関係しているか。
 韓国では75万人以上もの高校生が、第二外国語として日本語を勉強している。それに対し、人口が約2倍の日本で韓国語を勉強している高校生は10000人に満たないだろう。
 独立行政法人国際交流基金の調査によると、海外で日本語を学ぶ外国人は教室で勉強する人だけでも300万人を超えている。日本語教師の不足も問題となっている。日本語を教えに海外に出かけていく若い日本人も多い。
 しかし、日本語を学ぶ多くの外国人にとって日本語が第二・第三外国語であることを十分に理解する日本人は少ないようだ。そこで、この授業では、私たち自身が、第二・第三外国語を学習する意味を考えることから始め、日本語教育に関連するさまざまな問題、たとえば経済格差、国際紛争、貧困、難民、偏見・差別、異文化間コミュニケーション、多言語多文化共生などについて考えたい。

【最初の授業までに読んでくる本】
 C.ダグラス・ラミス『世界がもし100人の村だったら』(マガジンハウス)なお、この本は、貸し出しはしないが、1号館2階の日本語教員課程研究室に30冊用意してある。
テキスト
 必要に応じて、その都度、指示したり配布したりする。
参考文献・課題図書
 授業中に紹介する。
受講生への要望
 将来外国人に日本語を教えてみたいと思う人はもちろん、外国語の勉強が好きな人、外国語の勉強が苦手な人、日本語に興味のある人、国際交流や国際協力に関心のある人などを歓迎する。しかし、読んだり調べたりする課題の量の非常に多いことは覚悟してほしい。
評価方法
 出席、取り組み方、小テスト、提出物などで総合的に評価する。
授業計画
1.イントロダクション:授業の進め方について話し合う。
2.日本語教育:①外国人はなぜ日本語を学ぶのか。②日本語学習は幸せに結びつくのか? ③第2、第3外国語学習は何のためなのか?
3.国際交流・国際協力:“昔の国際感覚”、“これからの国際感覚”
4.日本語教育:“最良”の外国語教師・“最悪”の外国語教師
5.日本語の発音と表記 :「小野さん」と「大野さん」のローマ字表記は?
6.開発教育:“内なる発展途上性”とは?
7.外国語学習:赤ちゃんはどのように言葉を習うのだろう。
8.日本語の発音:「休講じゃないの」のイントネーション
9.国際協力:良かれと思って“ありがた迷惑”の“親切の押し売り”
10.小テスト・復習・まとめ 
11.外国語学習:第二、第三外国語を学ぶ意味はあるのか?
12.日本語の表現:「750円ちょうどお預かりします。」は何を返す? 
13.多文化・多言語共生:宮沢賢治 「よだかの星」、あまんきみこ「おにたの帽子」、浜田廣介「泣いた赤鬼」、新美南吉「手袋を買いに」などを素材として。
14.成長の条件:マイナスの動機づけとプラスの動機づけ
15.日本語の文法:“迷惑の受身”「昨日、雨に降られて…」の英訳は?
自由記述欄

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