コード HC94-01
授業科目 東洋美術史Ⅱ
副題 (インドにおける仏像の発生と展開)
副専攻 A1
特記事項
担当者 秋山 光文
単位 2
期・曜時 後期 火2
対象学年 2・3・4年

学習目標
 インド仏教美術史における諸問題に関し、基礎的な知識を習得した上で、問題の所在について考察し理解できる能力を養う。
授業概要
 アジア各地に展開した仏教美術の淵源として、東洋美術の一つの核を形成するインド古代美術史に関し、最近の研究によって新たな展開の見える諸問題について作例をもとに考察する。特に古代中期における仏像の成立、アジアにおける古典様式の基盤ともいうべきグプタ様式の成立を大きなテーマとして取り上げ、インドにおける造形活動が、いかなる歴史的・文化的背景から展開するのかを概観し、インドの民族宗教であるヒンドゥー美術の成立についても言及したい。
テキスト
 テキストは特に指定しないが、必要に応じて講義時間中に適宜ハンドアウトシートを配布する。
参考文献・課題図書
*宮治 昭『インド美術史』(歴史文化セレクション) 2009年 吉川弘文館
*V.デヘージア(宮治昭・平岡三保子訳)『インド美術』(岩波 世界の美術)  2002年 東京:岩波書店
*宮治 昭 『ガンダーラ 仏の不思議』(講談社選書メチエ 90) 1996年 東京:講談社
*宮治 昭 『仏像学入門:ほとけたちのルーツを探る』 2004年 東京:春秋社
*H.ツィンマー著,宮元啓一訳 『インド・アート』[神話と象徴]1988年 東京:せりか書房
*斎藤 昭俊 『インドの神々』(歴史文化セレクション) 2007年 東京:吉川弘文館  など
受講生への要望
 エスニックな文化について興味を持つ学生の参加を歓迎する。講師が現地で撮影した画像をはじめ、多様な視覚メディアを使用しながら分かり易い講義を心懸けるが、欠席が多いと講義のスピードについていけないので要注意。
評価方法
 学期末に指定する課題(レポート)と、出席状況を総合して評価する。
授業計画
1.Ⅰ.仏教美術の展開-仏像の誕生-
1.西北インド-ガンダーラ地方の史的展開
2.1-1.ガンダーラ美術の発生
3.1-2.ガンダーラにおける仏像制作
4.1-3.ガンダーラ仏の図像的特質
5.2.マトゥラー地方の史的展開-インド式仏像の出現-
6.2-1.マトゥラーにおける仏像制作
7.2-2.マトゥラー仏の図像的特質
8.2-3.後(ポスト)クシャーン様式の特質
9.3.南インドの仏教美術
3-1.サータヴァーハナ朝の仏教美術
10.3-2.アマラーヴァティーにおける造形活動
11.3-3.アーンドラ地方における仏像の成立と特質
12.Ⅱ.古典様式の完成
1.後(ポスト)クシャーン様式からグプタ様式の成立
13.2.グプタ様式の特質と展開
14.3.ヒンドゥー美術の成立
15.Ⅲ.まとめ
自由記述欄
 実物のインド彫刻や絵画を目にする機会はそれほど多くはありません。それでも、東京国立博物館東洋館(現在休館中)をはじめ松岡美術館や根津美術館など都内の国立・私立美術館には質の高いコレクションがあります。機会を見つけ、是非本物と接してください。美術史の勉強は、ものを見ることから始まります。

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