コード HD34-01
授業科目 キリスト教思想史Ⅱ
副題 (キリスト教的ヨーロッパ思想の源流を探る)
副専攻 A1
特記事項
担当者 中村 秀樹
単位 2
期・曜時 前期 金5
対象学年 2・3・4年

学習目標
 西洋中世という時代のキリスト教思想の概観と重要な主題を考察することを通して、この時代の思想が持つ重要性を理解し、現代の諸問題を考えていくための基盤と、より広い視野を獲得することを目指します。
授業概要
 かつて西洋中世は暗黒の時代とされ、その思想の発展も十分な仕方で扱われることはありませんでしたが、現代の哲学においては、西洋中世の持つ豊かな思想的遺産が再び注目されています。現代に影響を及ぼしている様々な考え方の源泉は、キリスト教的ヨーロッパの思想がその原型を形作っていった中世という時代に見出されます。また中世ヨーロッパ思想の形成は、古典古代の文化遺産とキリスト教との出会い、さらにユダヤ教およびイスラム教思想との間の相互の影響関係を経ています。中世思想においては、現代世界で大きな課題となっている異文化間の相互理解の原点とも言える経験が問題となっているのです。この講義では、このような重要性を持つ西洋中世の思想を、その発展段階に沿って考察し、その意義を探求します。西洋中世は、時代の幅としても文化史的内容から見てもきわめて豊かな内容を持つため、講義は全体を概観しながら、邦訳原典を参照しつつ、いくつかの重要な主題に焦点をあてていくことになります。それによって西洋中世が発展させた思想は、単なる歴史的知にとどまるものではなく、現代において真摯に思索しようとする者にとり多くの示唆を含むものであることを明らかにしたいと思います。
テキスト
 参考資料を配付します。
参考文献・課題図書
 F. ジョノー/二宮敬訳『ヨーロッパ中世の哲学』白水社文庫クセジュ
 F. コプルストン/箕輪修二、柏木英彦訳『中世哲学史』創文社
 L・ブイエ/上智大学中世思想研究所監訳『キリスト教神秘思想史1』平凡社
 J・ルクレール他/上智大学中世思想研究所監訳『キリスト教神秘思想史2』平凡社
 他、講義中に必要に応じて紹介します。
受講生への要望
 キリスト教的ヨーロッパ思想の本質をその中世における源泉から理解することは、哲学思想の勉強に予想以上の実りをもたらしますが、そのためには「自分の頭で考えること」がとても大切です。受講生には、自分で主体的に問題の本質に迫ろうとする積極性を期待します。
評価方法
1.出席による平常点評価:60% 毎回出席を確認します。5回以上欠席した場合はレポートの提出が認められません。
2.レポート:40% 学期末の課題レポート(4000字)で理解度を確認します。
授業計画
1.導入
2.中世キリスト教思想の基盤
3.アウグスティヌス(1)
4.アウグスティヌス(2)
5.アウグスティヌス(3)
6.中世前期の思想(1)
7.中世前期の思想(2)
8.修道院神学と初期スコラ学(1)
9.修道院神学と初期スコラ学(2)
10.ユダヤ思想・アラビア思想との出会い
11.トマス・アクィナス(1)
12.トマス・アクィナス(2)
13.トマス・アクィナス(3)
14.中世後期の思想(1)
15.中世後期の思想(2)
自由記述欄

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