コード GC62-01
授業科目 アメリカ外交論
副題 (世界におけるアメリカの役割)
副専攻 G1
特記事項
担当者 関場 誓子
単位 4
期・曜時 通年 金2
対象学年 1(A)・2・3・4年

学習目標
 2013年はオバマ政権にとって2期目のスタートの年であり、各種メディアは、オバマ大統領がどのような内外政策で歴史に名を残すのかに注目している。この授業では、現在のアメリカを理解する上で不可欠な制度や特質に言及しながら、歴史の検証を通して世界におけるアメリカの役割を検証していく。
授業概要
 授業の進め方としては、まず冷戦の起源から終焉までのアメリカ外交の軌跡を振りかえるとともに、冷戦終焉後の国際社会におけるアメリカの役割、特に9.11テロ後の世界におけるアメリカの役割をさぐることとする。
テキスト
 授業中にレジュメを配布する。
参考文献・課題図書
 山本 吉宣『「帝国」の国際政治学―冷戦後の国際システムとアメリカ』東信堂
 佐々木卓也編『戦後アメリカ外交史』有斐閣アルマ
受講生への要望
 国際問題、特にアメリカ政治や日米関係に関する新聞や雑誌の記事に毎日目を通してほしい。
評価方法
 学期末に記述式のテストを行う。
授業計画
1.アメリカ外交を学ぶ意義は何か:国際社会に対するアメリカの絶大な影響力や日米同盟の視点からの検証
2.アメリカ外交の伝統:孤立主義と国際主義
3.冷戦の萌芽としての第二次世界大戦:大ドイツ主義の始動と予防外交の失敗
4.冷戦の萌芽としての第二次世界大戦:ルーズベルト大統領の思惑と米英ソ大同盟の成立
5.冷戦の萌芽としての第二次世界大戦:ソ連の躍進と戦後処理
6.冷戦の始まり(トルーマン時代):ソ連の勢力拡大と封じ込め
7.冷戦の激化(トルーマン時代):東西ドイツの分断
8.冷戦のアジアへの拡大(トルーマン時代):中国の共産化・朝鮮戦争・インドシナ情勢の悪化
9.冷戦の常態化(アイゼンハワー時代):ソ連指導者交代の波紋
10.平和共存への期待とその破綻(アイゼンハワー時代):フルシチョフ訪米・U2機撃墜事件
11.米ソ関係の緊迫とその波紋(ケネディ時代):ベルリンの壁の構築・キューバ危機・共存の模索
12.ヴェトナム戦争の泥沼化(ジョンソン政権)
13.デタントの時代(ニクソン政権):ニクソン大統領の基本認識(5極の均衡による平和)・キッシンジャー大統領補佐官の起用
14.デタントの推進(ニクソン政権):中ソとのデタントとヴェトナムからの名誉ある撤退
15.デタントの後退(フォード政権):デタント外交の限界
16.デタントの衰退とカーター・ドクトリン(カーター政権):人権外交の光と影・イラン革命・ソ連軍によるアフガニスタンへの侵攻
17.力による平和(レーガン政権):対ソ強硬姿勢・軍備管理交渉の行き詰まり
18.対ソ融和姿勢への転換(レーガン政権):ゴルバチョフ政権の発足・軍備管理交渉の前進・米ソ首脳会談
19.冷戦終焉前夜(レーガン政権):レーガン大統領訪ソ(「ゴルバチョフは友」)
20.冷戦の終焉-その1(ブッシュ政権):「封じ込めを超えて」・東欧の民主化・マルタ会談
21.冷戦の終焉-その2(ブッシュ政権):ソ連崩壊の始まり・東西ドイツの統一
22.冷戦の終焉-その3(ブッシュ政権):湾岸戦争と「新世界秩序」・ソ連の崩壊
23.冷戦の終焉-その4(ブッシュ政権):アメリカ大統領選挙におけるブッシュ大統領の敗北
24.ポスト冷戦期のアメリカ‐その1(クリントン政権):「関与政策」の功罪
25.ポスト冷戦期のアメリカ‐その2(クリントン政権):同盟関係の再構築(NATO・日米同盟)
26.テロとの戦い(GWブッシュ政権)-その1:「9.11テロ」の試練
27.テロとの戦い(GWブッシュ政権)-その2:高まるアメリカ単独主義
28.揺れるアメリカ(オバマ政権):1期目の外交成果
29.日米同盟の検証:日米2国間の視点から
30.日米同盟の検証:国際協調の分野における日米同盟のあり方
自由記述欄
 日米関係は日本外交の基軸と言われる。授業では、戦後のアメリカ外交の変遷を辿ることで、真に互恵的な同盟関係とはどのようなものかについても、考えていきたい。

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