コード HA88-01
授業科目 哲学・倫理学特講Ⅸ
副題 (今あらためて死生観を考える)
副専攻 H1
特記事項
担当者 伊藤 由希子
単位 2
期・曜時 前期 水3
対象学年 1(B)・2・3・4年

学習目標
 特に日本思想を中心に、生や死をめぐる過去のひとびとの思想やいとなみの蓄積を見つめなおし、それをもとに現代の私たちの生と死について考える基礎を身につける。
授業概要
 山中伸弥教授らのiPS細胞の研究や、胃ろうなどの終末期医療、遺伝子治療や臓器移植など、医療技術の開発は、今までにないほどの勢いで進みつつある。歓迎すべきこの状況は、しかし同時に、私たちに、死生に関わる新たな問題を突きつけてくるものでもある。また、医療技術の問題ばかりでなく、深刻な地球環境の問題、自殺者増加や無縁化・少子高齢化社会の問題、そして震災・原発という生と死をめぐる大きな出来事を通して、私たちは今、あらためて死生観を問われている。
 この講義では、東日本大震災後に見られた生と死をめぐる言説や、医療や死をめぐる問題、自然・環境をめぐる問題、仕事や経済をめぐる問題、あるいは家族や周りの人とのつき合いなどのごく身近な出来事など、現代社会を生きる私たちが出会うさまざまな課題を取りあげながら、それらと関連するこれまでの思想(文学・文化・芸能をふくむ)を見渡しながら、現在そして未来を生きていくヒントを探っていきたいと思います。
テキスト
 特になし。毎回レジュメを配布する。
参考文献・課題図書
 講義中に適宜指示する。
受講生への要望
 死生観の問題は知識の問題ではありません。講義を聴いて心に引っかかったことを自分なりに考えてもらえればと思います。難しく考えずに、「いろいろな人の考え・意見を聴いてみる」といった気持ちで履修してください。講義を聴いて考えたこと、感じたこと、わからないことなどのミニレポートを講義時間内に書いてもらい、それに応答しながら講義を進めます。
評価方法
 期末試験(レジュメ・ノート等持ち込み可)を基本とします。なお、ミニレポートも参考にします。
授業計画
1.現代日本と死生観――ガイダンス
2.神話における死と生――日本人の死生観の原型(1)
3.神話における死と生――日本人の死生観の原型(2)
4.「いろは歌」の背景――日本人の「あの世」観
5.「一期は夢」――日本人の無常観(1)
6.「さだめなきこそいみじけれ」――日本人の無常観(2)
7.「武士道と云うは死ぬことと見つけたり」――日本人の無常観(3)
8.「死んで無になる」――近代日本人の死生観
9.滅びゆくものの美――日本人の死生観と美意識
10.日本人の自殺について考える
11.日本人と老い
12.高度先進医療について考える(1)
13.高度先進医療について考える(2)
14.人間と自然の思想――日本思想からの発信
15.まとめ
自由記述欄
 

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