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退職教員挨拶
【英語文化コミュニケーション学科 中川僚子 教授】
聖心女子大学には、非常勤講師として2年間、専任教員として17年間お世話になりました。広尾のキャンパスには、季節ごとの思い出があります。都心とは思えぬ広い空を背景として早春に薫る梅、正門の桜並木。中庭の薔薇、紫陽花。築山の小さなネジバナ、1号館前の金木犀。大好きだったのは放課後の校舎です。あちこちで部活動に励む学生の皆さんの姿や声があって、帰宅しながら、いつもほのぼのと温かい気持ちに包まれました。〈聖心スピリット〉が学内に深く浸透していることも、本学の素晴らしいところだと思います。「まわりの人が必要としているものに気づき、頭を使い、心を使い、手足を使ってよりよい状態をつくりだす」精神のありよう—-そうした〈聖心スピリット〉をもってつながる助けあいを通して、困難なときにも、いつも問題解決の新たなヒントを見つけることができたように思います。学生の皆さん、教職員の方々との出会いに心より感謝しております。ますますのご清栄をお祈りいたします。
【日本語日本文学科 大塚美保 教授】
2000年の着任から26年、前任校の国立大学と合わせるとちょうど30年、専任教員として勤務しました。専門は日本近代文学です。文学の学びを通じて学生たちが、時代や社会の大勢に押し流されることなくオルタナティブな視点を持つこと、既成の言説を鵜呑みにせず物事の本質を見極める力を養うことを目標にして来ました。健康に恵まれず、大学組織のためにあまり貢献できなかった私ですが、授業とゼミ指導にはいつも全力で取り組んで参りました。日本語日本文学科の同僚をはじめ、本学教職員の皆さまのご理解とご助力のおかげで、若い人たちの成長の現場に立ち会う幸せな仕事を続けられましたこと、感謝に堪えません。今後は日本近代文学の研究と普及活動に力を入れつつ、非常勤で教育に携わって参ります。長年にわたりありがとうございました。
【哲学科 伊豆藏好美 教授】
地方の国立大学から思いがけず聖心に呼んでいただき、12年間お世話になりました。十年一昔といいますが、コロナ・パンデミックの時期を挟んで、それぞれ密度の濃いまったく異なる二つの時代を経験させていただいたように感じています。その間の感想をあえて一言に圧縮してしまえば、やはり「楽しかった」になるでしょうか。とりわけ学生のみなさんとの授業内外でのさまざまなやりとりは懐かしい大切な想い出として長く残るだろうと思っています。自分だけでは決して読まなかったであろう本や思いつかなかったであろう問いに取り組むことができたのは実に貴重な体験でしたし、多くの方たちの目を見張るような成長に立ち会えたことは大きなよろこびでした。哲学科の同僚をはじめ教職員のみなさんにも本当によくしていただき、心より感謝しています。この素晴らしい大学が、かけがえのない学びと出逢いの場としてこれからも輝きを放ち続けると確信しています。どうもありがとうございました。
【史学科 印出忠夫 教授】
とうとう退職の時が来ましたが、自分の時間感覚って少し変なんじゃないかと思うことがあります。4月になると「ふり出し」に戻り、教室で変わらぬ年齢の学生さんたちに向き合うというサイクルをほぼ30回繰り返してきたのですから。「三十年過ごしし個人研究室のソファーの発条(ばね)が先に老いたり(近詠より)」勿論、変化はありました。西洋中世史の先生としての私は、歴史に登場する人物の大半が男性であることに気がつき、以後は意識して女性を取り上げるよう努めました。例えばジャンヌ・ダルク。「少年風(ボーイッシュ)な美少女の絵はみんな嘘、古き言葉をただ読みゆかむ」聖心でお会いし、そして巣立ってゆかれた学生さんたちとの邂逅はかけがえのない宝です。決して繰り返しではありません。ありがとう。「卒業の黒きガウンの若きらがつなぐる朱き灯火(トーチ)のハート」
【人間関係学科 岩原紘伊 専任講師】
2022年4月に着任して以来、教職員の皆さま、学生の皆さんにはいつも温かく接していただき、心より御礼申し上げます。人間関係学科では、質的調査に関わる科目を担当させていただき、学生の皆さんとともにフィールドワークに出かけたり、留学生へのインタビューに取り組んだりするなかで、学生の皆さんの気づきやチャレンジ精神に私自身も多くの刺激を受け、教員として大変充実した時間を過ごさせていただきました。また、授業外でも、常に一人ひとりをかけがえのない存在として思いやる、まさに聖心スピリットを体現する学生の皆さんの姿勢に、幾度となく感銘を受けたことも大切な思い出です。聖心では教員としてだけでなく、一人の人間としても、多くの学びを得させていただきました。聖心での貴重な経験を糧に、新天地におきましても教育・研究を通して少しでも社会に貢献できるよう努めてまいります。 本当にありがとうございました。
【人間関係学科 大槻奈巳 教授】
2005年に着任し、21年間お世話になりました。人間関係学科では、職業社会学や労働とジェンダーをテーマに授業やゼミを担当しました。学生たちからは多くのことを学ぶとともに刺激をうけました。学生をみていて、成長するとはこういうことかとしみじみ思うことも多く、充実した日々でした。学生や卒業生が何気なく話す内容から研究のヒントをもらったりもしました。キャアリアセンターや文部科学省委託事業をはじめ、教職員の方々には大変助けていただきました。心より感謝申し上げます。「いま女子大学で学ぶ意義」についてもっと発信すればよかったが反省点のひとつです。聖心女子大学での経験から得た問題意識を今後も考えていきたいと思っています。本当にありがとうございました。
【教育学科 木下ひさし 教授】
本学には12年間お世話になりました。小学校1年生の学級担任として始まった自分自身の現場経験をもとに、教職課程関連の授業やガイダンスで教師という仕事のやりがいや素晴らしさを語ってきました。また、教育実習等を経て、生き生きと子どもたちと向かい合う未来の教師たらんとする学生に頼もしさも感じてきました。一方、小学校教科書の編集や現場教員の支援などの社会貢献も行うことができました。今、12年を振り返れば、寛容で心優しい教職員の方々と学生たちに恵まれ「ここに来て良かったなあ」としみじみと思っています。窓から外を見れば多くの緑。何種類の鳥のさえずりを聞いたことでしょう。さまざまな草花にも癒やされました。先日、ある小学校を訪問したとき、そこに勤務する卒業生に素敵な笑顔で声をかけてもらいました。嬉しかったです。本当にありがとうございました。
【教育学科 水島尚喜 教授】
先日、用務の方より、枝おろしの際に出た桜材で造られた素敵な一輪挿しを頂戴しました。それぞれの枝の形などを理解(情解)した上で、その素性を活かそうとする構えに感銘を受けました。私が「伐採した樹木を何とか再利用したい」とお伝えしたことが、切っ掛けと伺いました。1997年に着任して以来、学生諸氏、教職員の皆様のこのような有形、無形の呼応、すなわち「愛の循環」の中で自身が生かされてきたように思います。学内のモザイク壁画「黄金の林檎」もこの循環の輪に出自があります。そして今、感謝の言葉をお伝えできる幸せを噛み締めています。私が私として存在することができる場が聖心であったことに、心より感謝しております。聖心卒業後は、微力ながら造形文化、絵本文化等を通して子どもたちや社会への還元を図ってまいります。皆様、長きにわたり、本当にありがとうございました。