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学問の種は日常のなかに転がっている

  • 人間関係学科

中村 優奈 Yuna Nakamura

聖⼼⼥⼦⼤学に興味をもったのは、⾼校2年時にはじめて参加したオープンキャンパスです。このときお話をうかがった在学⽣がとても優しく温かく接してくださったことが印象的だったことから、志望しました。出⾝⾼校とも雰囲気が似ており、のびのびと学⽣⽣活を送れると感じたことも決め⼿となりました。

1年次の学びで得たもの

1年次に学科にとらわれない授業をさまざま履修するなかで、奥深い学問世界の⼊り⼝に⽴ったことを実感し、価値観や視野が⼤きく広がりました。また、レポートの書き⽅も、先⽣がしっかりとサポートしてくださるので、論⽂執筆に⽋かせない情報モラルや論理的思考を養うことが出来たと感じています。

1年次に受けた授業で特に印象に残っているのは⼈間関係学科の「メディアと社会⼼理」です。ファン⼼理や不思議現象といった⾝近なテーマから学べることが新鮮で驚きでした。学期末には、アイドルのファンが推しのメンバーカラーを⾝に着ける⼼理について調べてレポートにまとめました。授業を通じて、これまで考えていた「学問」は学術的で堅苦しいものというイメージが⼀変し、学問の種は⽇常の中にも存在していて、考えているよりも遥かに⾝近なものであることを実感できました。こうした授業を受けるなかで、社会と⼈間の関わりのなかから⼈間の本質を深く追求したいと思うようになり、⼈間関係学科に進みました。

相手を理解し信頼関係を深めることが異文化理解の鍵

人間関係学科には、社会⼼理学、社会学、⽂化⼈類学の3つの分野があります。その3分野をバランスよく学ぶなかで、⼈間関係共通演習という授業がきっかけとなって、⽂化⼈類学を専攻しました。例えばアニメファンはよく聖地巡礼をしますが、観光地化することで地域経済が活性化したり、逆にトラブルにつながってしまうこともあります。地域課題とアニメという⼀⾒全く接点のないように⾒えるものでも、あるきっかけでつなぎ合わされることや、そのことがもたらす相互作⽤にとても興味深いものがあると感じました。また、フィールドワークやインタビューといった等⾝⼤の⼈に迫ることができる調査法にも惹かれました。調査には、エビデンスをどこに求めるかということが重要になってきます。そのために、対象となる⼈や事象を深く観察し、その地に赴き、⼈々の⽣活にそって調査やインタビューをすることで、仮説を⽴てます。
こうした積み重ねによって、⼈と時間をかけて深くかかわりながら信頼関係を構築していくことの喜びにも気づくことができました。
また、枠にとらわれず自由にテーマを決められるからこそ、自分の研究テーマについて、粘り強く取り組み、深まっていく楽しさを感じています。

興味関心は自分の思いもよらないところにも隠れている

社会調査実習や質的調査法の授業では、伝統工芸品を作る職人や在⽇外国⼈の⽅々にインタビューをしました。異⽂化での⽣活の在り⽅など、お⼀⼈おひとりのライフストーリーを伺うなかで、自分が当たり前としてきた文化とは異なる⽂化への理解が深まると同時に、互いの違いを尊重し、多⽂化共⽣社会を⽣きるうえで⽋かせない姿勢を習得することができました。テキストからだけでは決して学ぶことのできない異⽂化を肌で実感できるのも、⼈間関係学科ならではだと思います。

⽂化⼈類学には幅広い切り⼝があり、ゼミのメンバーは多種多様な研究テーマを設定しています。こうしたゼミの仲間と切磋琢磨し、コミュニケーションを取ることで視野が広がり、⾃分のテーマの⽷⼝を見出すことができました。

卒業論⽂では、⾞いすテニスをテーマに選び、異⽂化理解の問題として取り組んでいます。このテーマを選んだきっかけとなった授業に「開発と文化」という授業があります。この授業では、発展途上国のインフラ整備など開発を進めるうえでは、そこで生活をする⼈たちの暮らしや文化をよく理解することが必要だということや、その国の⼈たちと信頼関係を深めることが、成功させる重要なポイントだと学びました。このことは、障がい者理解にも通ずることで、勝⼿な思い込みで援助すると、かえって相手を困惑させてしまうこともあります。授業で学んだことがベースとなって、現場に足しげく通うことで研究対象となる⽅々との信頼関係を築くことができ、選⼿へのインタビューと、選⼿の所属施設への参与観察をさせていただくことができました。卒業論文では、障がいを乗り越えて⾃⼰実現をしていく過程にせまるとともに、異⽂化理解のその先にある、障がいを持つ⼈もいない⼈も安⼼して共⽣できる社会を⽬指したいと考えています。

⾃分の興味関⼼は思いもよらないところにもあるということを知ることが出来たのは、聖⼼で学んだからだと感じています。異文化を尊重する考え方を忘れず、社会に出てからも⾃分と関わる全ての⼈たちと丁寧に向き合っていきたいと思います。

  • 人間関係学科
中村 優奈 Yuna Nakamura

※所属・肩書きを含む記事内容は、インタビュー時(2024年)のものです。

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