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心理を学ぶことは自身のアイデンティティと向き合うことに繋がる

  • 心理学科

ロサディ フェリナ Felina Rousady

聖心のキャンパスは、一般入試のときにはじめて訪れました。高校は共学校だったため、女子だけの環境を体験してみたいという気持ちがあったことと、就職率やリベラル・アーツ教育を取り入れていることなど、自分にとってプラスになると考え、入学したいと思いました。

やりたい学びに出会うことができた1年

1年次に受けた授業では、英語の授業が印象に残っています。コロナ禍でオンライン授業が多いなか、対⾯授業だったこともありますが、⾼校までの授業と違い、英語を通じて社会問題や環境問題などを考え、ディスカッションや発表を繰り返し⾏うなかで「伝える」英語⼒がついたと思います。同時に、「考える」ことの⾯⽩さを発⾒することができました。また、⾃分は外国⼈として⽇本で⽣まれ、アイデンティティや⾃分の⼼と向き合う経験が多くありました。そのため、⽂化の違いによる⼼理の差や、異⽂化間の⼼理に興味がありました。1年⽬にさまざまな学問に触れ、あらためて⾃分が何が好きで何を学びたいのかを理解する時間があったことで、「させられている学び」から「したい学び」に変化したと感じています。⼤学⽣活を充実したものにするには、学ぶことの楽しさを実感できるかどうかが⼤きいと思います。

⼼理学を専攻したのは、⼈の感情や⾏動を科学的に考察することで、⾃分⾃⾝のなかに新たな発⾒を⾒出せると感じたことがあります。同時に、⼈の存在理由はどこにあるのか、なぜ⽣きるのか、などという根本問題を考えることにも興味があり、副専攻で哲学も学んでいます。

人の知覚と物理的な現実とのギャップを学ぶ

心理学は、科学的、論理的に考察することが多いことも特徴だと感じています。
例えば、⽬の錯覚「錯視」に関する研究に、同じ⻑さの線を⼈間の脳が違う⻑さに感じてしまうという「ミュラーリヤー錯視」というものがあります。この実験授業では、2⼈⼀組になってお互い図を⾒せながら考察したのですが、心の仕組みを、理論的に考察し論を組み⽴てていくという課程が新鮮で、ロジカルに考えることの楽しさを知るきっかけとなりました。

私を紐解く作業で見えてくるものがある

臨床床⼼理学を基本として、学ぶ授業には「学校・教育⼼理」や「司法・犯罪⼼理」などがあります。司法・犯罪⼼理学の授業では、加害と被害の関係を、⼀⽅からだけの視点から判断するのではなく、事件の背景や社会的要因などを踏まえたうえで判断することの重要性を考えさせられました。また、「神経・⽣理⼼理学」では、⼈体の構造と機能および疾病について学び、脳と感情の繋がりについてや、神経障害がなんの要因で起こるのかということを学びました。同時に現場での実習もあり、こうした知識を蓄積し、実習経験を重ねるなかで、実践的なスキルが⾝についたように思います。
公認⼼理師を⽬指して、資格取得のためのカリキュラムを履修していますが、学ぶ上でさまざまな分野の⽅々のお話を伺う機会もあり、⾃分のなかに幅広い知識の引き出しが増えていくことを実感しています。

また、⼼理学では、まず⾃分⾃⾝がどんな⼈間なのかを考察することも求められるので、これまで気づけなかった⾃分を発⾒することができますし、メタ認知(⾃分⾃⾝を客観的に認知すること)の能⼒が⾝についたように思います。さらに、哲学科の学びでも、⾃分と向き合う機会がありました。実存哲学の根本問題を過去の哲学者の思想から学ぶ授業では、過去の哲学者と対話をするように、なぜ私は⽣きているのか、死とはなにかといった正解のない問いについて、「私」という存在の意味を探りました。

2つの違った観点から⾃分を⾒つめなおしたことは、進路決定での⾃⼰分析にもとても役⽴ちました。また、問題を抱えた⼈たちをどのように⽀援できるかということを考えるなかで、傾聴する⼤切さも学びました。

傾聴することが一番の理解につながる

学外の活動で、⾼校⽣に留学の形で異⽂化学習の機会を提供する教育団体でボランティアをしていました。
私⾃⾝も⾼校⽣のときに留学した経験があるので、その経験を活かし、「国際交流とはなにか」「相互理解を深めるためには何ができるのか」といったことをディスカッションすることで、⾼校⽣⾃⾝の留学のイメージを具現化するお⼿伝いをしていました。このときにも、学科で学んだ「傾聴する」ことを⼼掛け、不安に寄り添い、⼀緒に考えることでサポートできたように思います。

将来は、公認⼼理師を⽬指していますが、卒業後は、ボランティアで経験したことを活かし、⼤学院で「海外留学におけるストレスとその推移」について研究を深めていきたいと考えています。さらには、⽇本でこれから増えていくであろう「外国人労働者」や「在⽇外国⼈」を⽀援する活動もしていきたいと思っています。

1学科の⼈数が少数であることや、⼼理を学ぶ共通理解があるため、友⼈とも表⾯的な関係ではなく、真剣に互いに向き合い、信頼し合える関係を築くことができました。悩んだときには、友⼈たちが真摯に話を聞いてくれましたし、先⽣⽅もまた注意深くわたしたち⼀⼈ひとりと向き合ってくださいました。これは聖⼼だったからこそ得られたものだと感じています。

  • 心理学科
ロサディ フェリナ Felina Rousady

※所属・肩書きを含む記事内容は、インタビュー時(2024年)のものです。

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