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災害復興支援の一環として学生が南相馬を訪問

聖心女子大学の災害復興支援活動「USHひとづくり・まちづくりin南相馬」の一環として、3年ぶり(コロナ禍以降初めて)に南相馬を学生が訪問し、活動を行いました。大学ガイドラインに則り、COVID-19の感染症感染防止対策を徹底しながら、主に現地視察ツアーと「サムライフェス」のお手伝いを行いました。

サムライフェス」とは、相馬地方の伝統的な祭事「相馬野馬追い」をモチーフにして、東日本大震災後に地元の高校生たちが中心となって創り出した、サムライ文化を体験できる新たな地域活性化イベントです。

サムライフェスに運営側として学生が初めて参加したのが2019年5月の第5回サムライフェスでのことでした。第1回サムライフェス実行委員だった南相馬の高校生の一人が卒業後に聖心女子大学に入学し、その学生からのお誘いを受けて、この交流が始まりました。コロナ禍にありここ2年間は開催されませんでしたが、今年、再開されました。
本学では、南相馬への学生派遣の停止期間中も、Ecoマスクプロジェクト(マスクなど手作り小物を製作、頒布し、寄付金を送金)、お手紙プロジェクト(お手紙を通しての交流)、オンライン報告・講演会などの活動を通して、南相馬の方々との絆を深め、復興支援活動の継続に努めながら、対面活動の再開を心待ちにしていました。

現地視察ツアーでは、南相馬および浪江町など近隣地域に来られたことの喜びを感じるとともに、あらためて東日本大震災の大変さに触れました。そして、復興が進む様子を実感するとともに、まだまだ進まない様子も実感を伴って理解することにつながりました。さらには、災害公営住宅にお住まいの方々や外国人技能実習生など、コロナ禍での生活の問題が山積している様子も伺うことができました。

サムライフェスでは、地元の高校生だけでなく、関西・関東地区から同じくボランティア活動で参加した他大学の学生方々との交流が深まりました。学生たちは高校生・他大学生ともすぐに仲良くなり、たくさん会話を交わしながら活動をともにしました。広い「雲雀ヶ原祭場地」にて雲雀の鳴き声と清々しい風と緑の香りに包まれ、晴天の中、多くの方々に訪れていただき、あっという間の一日となりました。

参加した学生からは次のような感想がありました。
「実際に南相馬に来て、直接、様子を見て、聞けたことは、本当に良かったです」
「他大学の学生や地元の高校生と交流できたことが、とても刺激になりました」
「久しぶりに南相馬に来て、復興の進んだところを感じた。一方で、整備されていく町並みに何か寂しさも感じました」
「たくさんの人々がイベントにいらしていて、驚きました。とても楽しかったです」

今後、このような交流が継続されることで、本学の学生が南相馬および近隣地域にますます愛着を持つことと思います。そして、東日本大震災による辛い生活が終わったわけではないこと、特に福島第一原発からの電力を利用していた私たちが今後も引き続き考え・行動していく必要のあることを学生たちが体感をもって理解していくことにつながると考えます。

さらにこの交流が、地元の方々にとっても、一つの「地域活性化」「希望」「地域の魅力発見・活用」「人間育成」等の創出につながっていくと良いなと思います。

なお、本活動は、日本財団による活動費の支援を受けるとともに、このたびは南相馬市による大学生等フィールドワーク・交流活動支援事業(旧みなみそうま復興大学)の宿泊費助成を受けました。厚く御礼申し上げます。

(教育学科教授 杉原真晃)
視察ツアー(震災遺構の請戸小学校)
サムライフェス会場で こども合戦の準備をする学生たち