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駐日チェコ共和国 マルチン・トムチョ大使による特別講演会を開催

12月9日、駐日チェコ共和国 マルチン・トムチョ大使を講師にお迎えして、宮代ホールで特別講演会が開催されました。史学科の「ヨーロッパ現代史I」および国際交流学科の「地域研究2」共同で開催されたこの講演会には、両科目の受講生をはじめヨーロッパとEUの歴史に関心を持つ学生が多数参加し、熱心に聴き入りました。

大使によるご講演は「チェコ共和国、EU、そして日本―100年を超えるチェコと日本との繋がり―」と題され、チェコの歴史、EUにおけるチェコ共和国の役割、そして2020年に100周年を迎えた日本との交流について、パワーポイントに音楽や動画も交えながら、詳しく解説してくださいました。講演後は、学長と共にパレスを見学されました。

創立当初より聖心とチェコは関係が深く、姉妹校である聖心女子学院や小林聖心女子学院の施設の設計は広島の「原爆ドーム」を設計したヤン・レツルやアントニン・レーモンドら、日本で活躍したチェコ人建築家によるもので、その一部は現在でも使用されています。

今年の後半、ウクライナ問題をはじめEU内および周辺地域で困難な状況が続く中、EU理事会の議長国として重要な舵取りを任されてきたチェコ共和国の駐日大使によるご講演がこのたび実現したことは、大きな意義を持つと考えられます。

参加者からは、古い歴史を持ち、ヨーロッパの心臓部に位置する重要な国で、文化・芸術の国でもあることを知り興味が湧いた、ぜひ訪問してみたい、との声が多く聞かれました。以下、参加者の感想をご紹介いたします。

・アニメーションやスポーツ、料理などに特色があり、国民1人あたりのビール消費量が世界1位というのは、ドイツが多いと思っていたので意外でした。文化の交差点であったからこそ、多くの国の影響が融合しているのではないかと思いました。
・周辺の大国との戦いの中で騎士が発展した歴史について知ることができ、三十年戦争の原因となった宗教の問題も複雑で、これからもっと勉強したいと思いました。プラハ城の写真も本当に美しく、神聖ローマ帝国の伝統が残るプラハにぜひ一度行ってみたいと思いました。
・想像以上にチェコと日本の関係が深く驚きました。原爆ドームや聖心の校舎をチェコの建築家が設計していて、遠い国ではありますが互いの技術や文化を尊重し協力していること、多数の日本企業がチェコに投資し、コロナワクチンでも日本とEUが協力関係にあることなど、遠くても近い関係にあることがわかりました。
・特に驚いたのが、EUの考え方の源である「汎ヨーロッパ主義」を提唱した人物が、チェコと日本にルーツをもつ人物(リヒャルト・クーデンホーフ=カレルギー)であるということでした。EUは民主主義、気候変動、エネルギーの点で世界を先導していく非常に重要な役割を担っていると思いますが、不安定な国際状況の中で、この先も世界を導き支える存在であってほしいと思いました。

(史学科 准教授 桑名映子)