英語文化コミュニケーション学科・大学院英語英文学専攻共催「国際化推進のための公開講座」

023年7月5日に宮代ホールで開催された、英語文化コミュニケーション学科・大学院英語英文学専攻共催の「国際化推進のための公開講座」“A Career in News: An Evening with Yuko Ando”のご報告です。

登壇者の安藤優子さんといえばテレビ媒体を介して誰でも知っているニュースキャスター、ジャーナリストですから、来場した多くの参加者それぞれにある程度具体的な予想と期待があったはずですが、今回のご講演はよい意味であらゆる予想と期待を裏切るものでした。

1時間あまりの講演は安藤さんご自身によるご自身についてのドキュメンタリーでしたが、テレビで拝見する安藤さんと違って、すべての時間が安藤さん自身によって作り上げられるもので、それは最初から最後まで一貫してまったくペースが変わることなく自然な速度で進行し、いつの間にかすっかり惹き込まれてしまう、お名前の通り優しい時間でした。

初めて報道番組の「女性アシスタント」としての役割を与えられたときのエピソードから始まって、その後国内外の報道現場で遭遇されたさまざまな形での性別や肌の色による差別や偏見、それに対するご自身の率直な思いやお考えを、とても分かりやすい言葉で力強く語ってくださいました。

尻込みすることなくいろいろな状況に積極的に身を置いてみる勇気、そこで「素の自分」に対して投げかけられる「問」に誠実に向き合って、その時に出せる「解」をきちんと出しながら一歩一歩人生を歩んでこられた方でこそ身につけられる、人と共有できる優しさ。参加した学生・一般の方々それぞれに、この一流の優しさをいただいて持ち帰られたに違いありません。

（英語文化コミュニケーション学科　教授　扶瀬幹生）