1. HOME
  2. ニュース
  3. 大学院博士後期課程人文学専攻「人文学共同演習」特別講演会を開催

ニュース

大学院博士後期課程人文学専攻「人文学共同演習」特別講演会を開催

大学院博士後期課程人文学専攻には「人文学共同演習」というユニークな授業があります。大学院生が自分のテーマの研究発表をし、英語英文学、日本語日本文学、哲学、歴史学の教員が参加して分野領域を超えて自由に意見を交わす学際的な授業です。この授業では年に1度、博士号取得修了生の方を講師に招いて特別講演会を開催しています。

今年は10月13日に酒井もえ先生(2021年度修了)をお招きし、“Early Meiji Adaptations of The Merchant of Venice: Revisiting the Possibilities of a Feminist Reading”という題目で講演会が開かれました。シェイクスピアの『ヴェニスの商人』は明治時代に『何桜彼桜銭世中(さくらどきぜにのよのなか)』(宇田川文海・作)という題で初めて邦訳され、歌舞伎としても上演されました。講演はこの作品を取り上げて、文化史的、フェミニズム的な観点から多角的に考察し、日本におけるシェイクスピア受容の一端を明らかにしていくものでしたが、話題の豊富さ、考察の明晰さに聴衆は始終魅了されました。講演の最後には、酒井先生から後輩の大学院生へ向けて博士論文執筆に関するアドバイスとエールがあり、とても楽しく有益で、充実した会となりました。

(博士後期課程人文学専攻教授 小柳智一)