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第30回ASEACCU(東南・東アジアカトリック大学連盟)国際会議に参加
2024年度のASEACCU(東南アジア・東アジアカトリック大学連盟)国際会議に、今年も聖心女子大学から4名(学生2名・教職員2名)が参加しました。第30回を迎える今年の会議はオーストラリア・カトリック大学(ACU)のノース・シドニーキャンパスで開催され、テーマ”What makes a Catholic University Catholic?”:Expressing and Integrating Identity and Missionのもと講演会やワークショップが行われました。
オーストラリア、インドネシア、カンボジア、ベトナム、フィリピン、韓国、台湾、東ティモール、マカオ、日本から、200人を超すカトリック大学の学生・教職員が集まり、わたしたちが日々学び、働く大学のカトリック大学としてのアイデンティティやミッションとはなにか、どのように表出するのかについて考えました。テーマにそって繰り返し出てきたことは、社会と関わり、社会に開かれ、社会に影響を与える取り組みと、その重要性でした。パネリストとなった大学からは、教育をつうじた受刑者の社会復帰プログラムや、ローマ教皇フランシスコの回勅「ラウダート・シ」に基づく自然環境保全の取り組みなどが紹介されました。
各大学の取り組みやパネルディスカッションをつうじて、カトリック大学の高等教育の基盤には、社会が求める現実的な必要性に応答する役割のほかに、人と人との「あいだ」をつなぎ、人と人との「あいだ」を活かす温かさがあることがわかりました。ASEACCUの会議そのものもこの温かさに包まれ、国際会議に初めて参加する学生も緊張しつつも、安心して会議を楽しんでいました。最終日は学生全員が参加し、各国の文化を紹介し合いました。
ASEACCU会期中、社会のなかで厳しい状況に置かれた人びとのために学校を開いた聖メアリー・マッキロップを記念する場所も会場のひとつとなりました。学生たちは聖マッキロップの資料館を見学し、その生涯から多くのことを学びました。セント・メアリー大聖堂で執り行われたミサも、会議のテーマと響き合い、多様なバックグラウンドをもつ人びとが互いにひとりの人として全人的に大切にしあうカトリック教育の意義を感じる体験となりました。
(哲学科専任講師 佐藤紀子)