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健康リテラシーを高めよう

  • 教育学科

植田 誠治 教授

学校保健学、健康教育学、社会医学

研究のテーマ

子どもの体と心の健康を守り、発育・発達を支援し、生涯を通じた健康リテラシーを高める教育プログラムの開発

研究テーマの内容、研究活動

「健康に良いのはわかっているけどできない、続けられない」とか「健康に悪いのはわかっているけどやめられない、とまらない」などは私たちのまわりでよくみられる事象です。一方で、自分や社会を健康的なものするために、積極的に行動したり、その行動を長く続けられたりする人もいます。

これらにはどのような要因が関係しているのでしょうか。実は、その人の持つ知識、価値観、信念、体や心の状態といった「個人的な要因」や、周りの人の行動、人間関係、マスメディアの影響、社会の規範や文化といった「社会的な要因」が関係しています。こうした健康に関わる人間の行動を、総合的に理解し、予測し、そして教育的な働きかけによってよりよいものに変容していくための実証的な研究を進めています。特に私は、学校保健という分野で、児童・生徒・学生そして教職員を対象とした研究が専門です。

健康リテラシーという言葉を聞いたことがあるでしょうか。ここでの健康は、体や心のみならず人間関係や生活の質なども含む広い概念としてとらえてください。健康リテラシーとは、この健康に関する適切な意思決定・行動選択を行うのに必要な健康情報や健康サービスを入手したり、理解したり、評価したり、取捨選択したり、活用したりしていく能力のことをいいます。生涯を通じてこの能力は必要であり、その基礎を培ってもらいたいと考え、小学校・中学校・高等学校の保健教科書の編集・執筆も行っています。

編集・執筆した保健教科書

研究テーマの意義・面白さ

この分野の研究は、現実的な課題解決に迫られる一方で、未来志向性も持っています。今学校で学ぶ子どもたちは、近い将来、市民、家族の一員、あるいは社会人としての役割を果たしつつ、様々な状況で健康に関わる問題に直面していくことでしょう。健康リテラシーを高めることは、自らの健康のみならず、自らの健康に影響する環境をも変えていく力になります。それは子どもたちが生涯を通じて、健康で豊かな生活を送ることにつながります。

残念なことですが、病気や健康問題には、無知による差別や偏見が生じることが少なくありません。まず正しい知識をもち、健康リテラシーを高めること、そして自他の健康を深く考えること。これらがいたずらな不安や偏見を払拭するうえで不可欠です。

高校生や学生へのメッセージ
まず素朴な疑問を大切にしてほしいと思います。なぜだろう、どうしてだろう、どうなっているんだろう・・・といった素朴な疑問です。学問は問うことを学ぶことでもあります。こんにちではインターネットの中でいろいろな情報を得ることができます。それにプラスして現地に行ってみるなどして、「足」も使いながら、その疑問を解決してほしいと思います。いろいろな人とも交流しながら。
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