1. HOME
  2. 受験生の方
  3. 聖心Voices
  4. 人のこまやかな感情に寄り添い、ともに喜び、悲しむ心を大切にする

人のこまやかな感情に寄り添い、ともに喜び、悲しむ心を大切にする

  • 哲学科

新村 萌未 Moemi Shinmura

2012年度卒業

大事なのは目に見える形ではなく、その奥にある本質。新村萌未さんが、卒業論文で内村鑑三の無教会思想と現代の結婚式を研究したときに出した結論だ。
「大学の1年次の授業で内村鑑三を知りました。その時から内村鑑三について卒業論文を書きたいと思っていました。先生のお人柄にも強く惹かれ、内村鑑三について研究できるゼミに所属しました」

形式ではなく心の重要性に 気付いた卒業論文

内村鑑三は、結婚式は「祈りの場」であるとし、形式にとらわれることに異を唱えた。
「現代の結婚式は、華やかなものから安価なものまで、多様化しています。しかし、根底にある心は変わりません。結婚式では式場の選択、テーブルセッティングなど、全てにおいて新郎新婦の意思を反映しますが、形式にこだわっているのではないのです。それは、ゲストに喜んでほしいという、『人のため』を思う心の表れなのです」

日本の良さを再発見した授業が 就職への契機になる

「授業で読んだ古典で、登場人物が人の気持ちを思ってあはれなり、と言う場面を読み、日本人の感受性の豊かさを知りました。繊細な感情をさまざまな言葉で表現し、それを聞いて、読んで、しみじみ共感する姿がたまらなく美しいと感じました。人の気持ちに寄り添って共感して、一緒に悲しむ、私もそんな人間になりたいと思いました」

新村さんが勤務する星野リゾートでは「日本再発見」をテーマにし、宿泊を通して日本の良さをお客様に伝えることを目的としている。新村さんもそのテーマに心惹かれ就職した。
現在、新村さんが担当するスパでも、ホテル周辺の土地特有の植物などを施術に取り入れている。日常の業務が終わった後に土地について勉強し、企画を練る。お客様の満足度を高める取り組みには終わりがない。
新村さんが日本の良さを再発見したのは、聖心女子大学で源氏物語について学ぶ授業だった。主人公の光源氏の、女性の気持ちをこまやかにくみ取る姿や困難に立ち向かい乗り越えていく姿に、日本人の深い心を感じた。

見返りを求めるのではなく ただ、人の幸福に寄与する

「高校生まではほとんど接することのなかった宗教というものに出合って理解し、見返りを求めず信じ、物事に取り組み続ける人々を敬う気持ちを持ったのも、聖心女子大学での4年間があってこそだと思います」

ある時、新村さんはホテルでプロポーズをしたいというお客様の予約を受ける。
「同僚にサプライズのアイデアを募り、お客様にオリジナルプランを提案しました。プロポーズが成功して笑顔のお客様をお見送りした時には、やりがいを感じました。人生の節目に立ち会えて本当に光栄でした」
学生時代は率先して幹事を引き受けるタイプで、人を喜ばせることが大好きだった。人々が喜びや幸せを分かち合う特別な場を盛り上げたい。その思いから、ホテル業界に進んだ。幸せそうな姿を見れば満足で、感謝の言葉などの見返りは求めていないと新村さんは言う。

  • 哲学科
新村 萌未 Moemi Shinmura
2012年度卒業

株式会社星野リゾート 
星のや軽井沢 スパ
哲学科 2013年3月卒業
※ 所属・肩書きを含む記事内容は、インタビュー当時(2019年)のものです。

聖心Voices 一覧ページへ戻る